ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

714.都市殺し_本の紹介

都市殺し  P・E・モスコウィッツ

 

都市殺し――ジェントリフィケーション・不平等・抵抗 | P. E. モスコウィッツ, 丸山雄生, 宮田伊知郎 |本 | 通販 | Amazon

 

 

 

 都市のあるべき姿について考えさせられる本でした。

 

 本著では、自然災害(ハリケーンカトリーナ)を契機にニューオーリンズがどう変わったか。同じく、車業界が衰退したデトロイトは。テック起業が乱立したサンフランシスコは。著者の地元のニューヨークは。どうしてこんなに変わってしまったのか。

 

 市民目線に立って、都市の移り変わりを分析しています。

 

 

 

 本著ではジェイン・ジェイコブズの言葉が何回も引用されています。

 

 そう。本著は大規模開発を行うデベロッパーを都市コミュニティの破壊者(ジェントリフィケーションを推進する者)として糾弾する内容です。

 

 

 

 本著は4都市での分析を行っていますが、大きくとらえると2つの都市問題を提起しています。

 

 

 

 一点目はジェントリフィケーション(都市コミュニティと資本主義)。

 

 二点目は都心と郊外。

 

 

 

 まずジェントリフィケーションから。

 

 著者曰く、デベロッパーが狙うのは『都心』にあって、『利便性は良い』のに、『賃料が安い』エリア。

 

 どういったエリアかと言えば、『古い』『低層雑居ビルエリア』『低所得者が肩を寄せ合って暮らしている』そういった場所をデベロッパーは狙い撃ちにする。(米国事例なので、エリアの特性として、人種やLGBTQなどのゾーニングという都市の暗い問題が多く綴られています)

 

 そういったエリアは賃料が安いので、物件価格も当初は安い。安いうちに周辺物件を買い集めていって、人気のエリア(米国事例なので、『白人向け』と記載されています)に仕立てれば利益率が最も高い事業となる。

 

 低所得者が肩を寄せ合って暮らしているエリアは、金銭のやり取り(資本主義でのサービス)で足りない部分を、コミュニティの支えあい(お互いの能力、労力、時間の提供)で補っているエリアです。

 

 GDPで評価されるような『お金のやり取り』は小規模ですが、人間社会で評価されるような『隣人を知っている』『人を信頼できる』『困ったときに相談できる相手が近くにいる』といった項目は高いポイントを叩き出せるエリア。となります。

 

 

 

 一方で、視点を変えて行政の立場に立つと、『低所得のため所得税が取れないエリア』『評価額が低いので固定資産税を取れないエリア』『公共サービスに頼る人が多いエリア』となります。

 

 行政からすれば、税収よりも税の再配分(公共サービスの提供)の方が多い、『赤字エリア』になります。

 

 

 

 そういったデベロッパーが買い始めたエリアに『ジェントリファイアーの先鋒』としてまず登場する(デベロッパーが誘致する)のが『イケてるカフェ』『オーナーシェフのレストラン』などだそうです。

 

 カフェには金融・証券・士業・コンサルティングファーム等に代表される、高所得ホワイトワーカーの若手が集まるようになる。これが『ジェントリファイアーの次鋒』。

 

 そしてお金を落とす高所得者(ジェントリファイアーのアーリーマジョリティ)の密度が高くなると、さらにBARなどの出店が増え、最終的に低所得者層が追い出されて、ホワイトワーカー向けのアコモデーションに再開発される。とのこと。

 

 以前の家賃の3倍も4倍も高い価格帯で新しい物件はスタートすることになる。デベロッパーは大儲け。

 

 

 

 

 しかし、著者から『ジェントリフィケーション』としてまとめられているこういった社会構造の全てが『悪』なのか。

 

 都市の構造として築古になった施設は安く提供され、そこにコミュニティの濃い人間社会が構築される。そして、構造の限界、災害等への脆弱性が行き過ぎると新築への建替えが推進され、新しい用途(その時代に、その場所で必要とされる最有効用途)で新たな物件が都市に提供される。

 

 これは都市の新陳代謝ともいえる。

 

 コミュニティ(住民)側から見るか、資本主義(不動産屋)側から見るか、都市建築技術者(木密・耐震性・構造耐用年数)側からみるか、それによって見え方も違う。

 

 

 

 

 ただし、もう一つの視点から見た場合が難しい。著者の一番の問題認識。

 

 行政の側。

 

 行政は、税収を収入源にコミュニティを守り、応援する立場です。

 

 行政には、自分たちの行政区内に企業や高所得者を誘致し、税収を増やす『営業』という立場もあります。

 

 さらに行政には、『木密解消』など、災害予防措置を推進し、街の安心安全を高める責務もあります。

 

 行政は、『コミュニティ側(行政支出)』『資本主義側(誘致営業)』『都市建築技術者側(投資・維持更新)』すべての視点で活動しています。

 

 その中で、以前は『コミュニティ側(行政支出)』の側面を大事に、地域コミュニティを支える側の立場が強かったが、近年、コミュニティ側を支える活動を『赤字原因』『支出超過の悪玉』的に見なすようになり、税収増をめざす『資本主義側(誘致営業)』に偏りすぎているのではないか。

 

 著者の指摘はまさにこの点にあります。

 

 著者からすれば、『資本主義側(誘致営業)』に必死な、『大阪』『福岡』『札幌』などのイケイケ行政は『悪』で、市民目線で開発から都市を守ろうとする現状維持派の行政は『正義』です。

 

 そら、六本木ヒルズとか、麻布台ヒルズとか、『ジェントリフィケーションの権化』みたいな再開発ですものね・・・。行政側にも対策が身につく?

 

 

 

 さあ、ここから次の話題に進みます。

 

 都心と郊外。

 

 この話題は、先ほどの1つ目の話の延長戦になります。

 

 都心でジェントリフィケーションが起きたとしても、都心の他のエリアで低所得者層を受け止められるような老朽化エリアがあれば、人が都心の中で玉突き的に移動しているだけ。

 

 『都市の更新』という観点からすれば、「それは仕方がないんじゃない?」と整理したくなります。

 

 

 

 しかし、そこにはもう一つの重い問題。『都心』と『郊外』がある。

 

 アメリカでは第二次世界大戦前後まで、都心(ニューヨークでいえばマンハッタン島やブルックリン)にも多くの工場があり、工場近くに労働者が住んでいたとのこと。

 

 当然、住環境としては悪く、政府は手っ取り早く住宅開発できる郊外に多くの戸建てを建てさせ、そこが『楽園』であるかのように宣伝し、若者に郊外の住宅を買わせた(つまり投資させた)。

 

 都心まで車で片道1時間。交通渋滞に重なれば1時間半、2時間は当たり前のエリア。

 

 それでも専業主婦を前提とした家族構成であれば何とか成立した。

 

 住環境の悪い都心は、労働者を中心とした低所得者層が住み、郊外は高所得のホワイトワーカーが住む。

 

 アメリカではこういった都市構造が1960~1970年代に形成されていった。

 

 

 

 原因は違えど、どこか日本と似ていませんか???

 

 

 

 著者はジェイン・ジェイコブズの一説を引用していますが、都心であれば、何らかの職があり、お金の回転があり、路上で活動していれば生きるために必要な資金には巡り合えます。

 

 なぜかといえば、毎朝郊外から高所得者がやってきて、日中から夜間にかけて生産活動と消費活動を都心で行い、そして郊外に戻っていくから。

 

 都心に住む低所得者は、住環境は悪いけれども身を寄せ合って、コミュニティのつながりを強く持ち、日々の金銭を稼ぐ手段を路上に持って、みんなで暮らしていけた。

 

 高所得者が移動(通勤費を負担)し、低所得者が都心に居住し移動しない。

 

 この構造が大事だった。

 

 

 

 1980~1990年代に入ると、都心から工場などの生産設備が撤退し、住環境が回復し始めた。

 

 都心は、『第二次産業混在型』から、『完全なる第三次産業』へとシフトした。

 

 ここから、一つ目の都市問題『ジェントリフィケーション』が火を噴く。

 

 都心の方が便利なのは間違いない。移動時間が必要ないのだから。『生産活動の中心地』と『消費活動の中心地』がすぐ足元に広がるのだから。

 

 朝ギリギリまで寝ていられる。夜遅くまで飲んで騒いでもタクシーですぐ帰れる。

 

 都心の工場跡地や工場労働者住宅跡地、低所得者層が身を寄せ合って暮らすエリア、それらが次々に再開発され、そこに郊外で生まれ育った若きジェントリファイアー達がなだれ込んだ。

 

 工場労働者や低所得者層は、都心で暮らせるエリアを次々に失い、空き家だらけとなる郊外住宅地への転居を斡旋された。

 

 郊外では、家と家が低層に低密度で設計されているため、都心の高層住宅街のような人の密度はなく、コミュニティの厚みが出ない。

 

 また、虫食い状に斡旋されるため、郊外住宅街の既存住民(かつてはホワイトワーカーだった高齢者)との軋轢も生まれやすい。

 

 そして、なによりも郊外の路上には稼ぐ手段がない。(みんな車で移動)

 

 さらに悪いことには、かつて所得を得ていた都心に行くために、交通費を払わないといけない。

 

 

 

 郊外に追い出された低所得者層は、きわめて困難な暮らしを余儀なくされる。

 

 

 

 かつて閑静だった郊外の住宅街は荒れ、ホワイトワーカー層は郊外を逃げ出し、都心に回帰する。

 

 

 

 この流れを都心の行政は推進(誘致営業に邁進)し、コミュニティを支える側の行政の役割を放棄している。

 

 と、著者は糾弾しています。

 

 

 

 日本では、都心回帰の課題は大崎や品川、晴海や豊洲などに代表される、「旧工場跡地」の「タワーマンション化」の方が中心で、そもそも格差をそこまで大きく作ってこなかったため、都心が空洞化したところにマンションをつくって都心回帰を促した。という側面が強いと思います。

 

 そこはアメリカとは少し違う。

 

 とはいえ、麻布台ヒルズの以前の姿、町内会活動を知る私からすれば、あの空間から追い出された人々はまさにジェントリフィケーションの被害者。

 

 

 

 我々デベロッパーは、数多くの街のステークホルダーを抱え、100点満点は不可能ですが、及第点はもらえる開発を求められています。

 

 『インバウンド』、『ラグジュアリー』そういった『ジェントリファイアー』たちをどれだけ呼び寄せられるかでデベロッパーとしての利益率が決まってくる。これは紛れもない事実で、著者の指摘の通りですが、その利益と、『これって近隣住民の何割が利用できるようなサービスになっているんだっけ?』という社会的責任のバランスは失ってはならない。

 

 

 

 デベロッパーへの忠告本として大変良質な本だと思いました。

 

 非常に面白かったです。

 

以上

 

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

 

698.本の紹介:ガザとは何か  ~パレスチナを知るための緊急講義~

先日、家の近くに新しく出来た小さな本屋さんでこの本を見つけました。

 

 

ガザとは何か  ~パレスチナを知るための緊急講義~

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%82%B6%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B%EF%BD%9E%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E5%B2%A1-%E7%9C%9F%E7%90%86/dp/4479394206

 

 

私のイスラエル問題に関する知識は、当事者であるウィントン・チャーチルの自伝や、その後の知識人であるヘンリー・キッシンジャージャック・アタリ、ユヴァル・ノア・ハラリ、そういった方々の書物から得たものでした。

 

しかし、本書を読んでみると、キッシンジャーもアタリもハラリもユダヤ人としての身内贔屓は当然あるもので、パレスチナ側から見た視点はこんな感じになるんだな。と、大変勉強になりました。

 

1948年以降、パレスチナの地にいるアジア人がこうやってヨーロッパ植民地主義の犠牲となり、80年が経とうとしている今でもなおその苦しみの中にいる。という著者のメッセージは大変重く、皆さんに読んでいただきたい一冊だったのでご紹介します。

 

601.私の履歴書(趙治勲氏)

5月の日経新聞

 

ほとんどの「私の履歴書」は最初の2日くらいで飽きてしまって次の月が始まるまで気に留めないのですが、今回は最後まで楽しく読んでしまった。

 

この前、黒田前日銀総裁のときも途中で飽きてしまったし、直近で読み切ったのは倍賞千恵子さん?

 

そういう意味では、経済人の「私の履歴書」は書いてある内容がだいたい想像できるので、ワクワクしないんだろうなぁ。

 

 

 

大学時代にクラブハウスで時間潰しに少しだけハマった囲碁

 

手筋も何も知らないヘボ囲碁を同期と打っていましたが、その頃もまだ強かったのが趙治勲氏。

 

NHK囲碁の時間の対局で、2時間の対局を見ていても、最初は劣勢と解説されていながら結局は勝ちきってしまうという印象があリました。

 

5歳で韓国から日本に渡り、囲碁界で活躍するという半生は知らなかったので、とても楽しく拝見しました。

 

いろいろな人生があるものだ。

 

趙治勲氏も最後にまとめてくれているように、隣の国とは仲良くしよう。

 

 

 

6月はノーベル賞受賞者の本庶氏。

 

何日まで継続して読めるか。

580.トータル・リーダーシップ

知人に勧められて読んでみました。

 

 

 

 

書いてある内容は、いろいろな自己啓発詰め合わせみたいなものなのですが、すごく分かり易いカテゴライズが記載されていたのでご紹介したいと思います。

 

リーダーシップを発揮する人物は、どこかの分野だけ大成功していてもダメで、4面全てで勝利を納めていないといけない。

 

その4面とは

・仕事

・家庭

・コミュニティ

・自己自身

 

である。

 

自分が理想とする資源(特に時間)配分と、現実のそれのギャップをまずは認識してみよう。というものです。

 

これは、いろいろな本で書かれている自己達成(もしくは個人の幸福度を上げるための行動)要素を、4面という形でカテゴライズしただけ、とも言えるのですが、なかなか分かり易い切り口だな。とも思いました。

 

リーダーシップ研修に参加するようなアグレッシブなメンツは、「仕事」と「自己自身」にかける時間が理想より多くなり、「家庭」と「コミュニティ」にかける時間が理想よりも少なくなりがち。とのこと。

 

このギャップに気づき、自分が4面勝利したキラキラなリーダーになれるように頑張ろう!

 

というものです。

 

 

 

ただ、このギャップ認識と目標設定、行動というパターンはドーパミン型のゲームクリアー方式なので、やらないよりはやってみたほうがいいとはおもいますが、家庭やコミュニティへのアプローチとして適切なのかは微妙だと思います。

 

たぶん、最終的には家族やコミュニティへの関与として、「そこにいるのが当然の景色」という存在になってこそ。だと思うんですよね。

 

ドーパミンではなくオキシトシンの幸福度にしていかないといけないのかな。と。

 

なので、4面勝利という目標設定の時点で、ちょっと若い。というか、「まだまだ(三瓶さん風)」という感じもしました。

 

仕事と自己自身は「2面勝利」で良いと思いますが、家族とコミュニティは「勝利」するものではないな。

 

以上

547.東京のために仕事をすることへの不満

自分のしている仕事の大半は、「東京の街をより生産的に、より楽しく、より安全に」すること。

 

なぜ地方出身の自分が、東京の街を良くするために働かなければいけないのか。

 

別に東京に愛着があるわけではない。

 

日本で言えば、東京にお金が集まっていて、そこにデベロッパーとしての仕事も集まっているから、東京で仕事をしているに過ぎない。

 

東京は、自分がやらなくても誰かがやる。

 

そこに日本のお金が集まっている以上、高度人財も吸い寄せられてくる。

 

 

 

一方で、自分が東京に居る理由も良く分かる。

 

 

 

年収は、「住むところ」で決まる。

 

特に、自分が属しているような「サービス業」は、外貨を稼いでそのエリアにキャッシュを持ち込んでくれる人がどれだけいるか、そのエリアに投資をしてくれる人がどれくらいいるか、によって、自分たちの業界売上のトップラインが決まり、自分の年収も決まってしまう。

 

サービス業に所属する者は『東京』で働くことが、自分の年収を最大化する。

 

当然、アベノミクスにより円の価値を削った日本の『東京』でなく、『ニューヨーク』や『シンガポール』で働くことの方が、自分の年収を差大化できる。

 

あとは、英語というグローバルツールを身につけられるかどうかだ。

 

日本語しかできない自分は、価値の最大化のためには『東京』がベストであり、それが限界。

 

もし現時点でタイムマシンがあれば大学生になったばかりの自分に会って、「今すぐにでもカリフォルニアの大学に留学しろ。年収が3倍にはなるぞ。」と伝えるだろうなぁ。

 

 

 

さて、「東京のために働きたいわけではない」「なんで自分が東京の街を改善する努力をしなければならないのか」という自己疑問と、「子供を養うためには東京で活躍することが手っ取り早いだろうが!」という自己知識の葛藤。

 

40代前半。大変難しい問題。

 

 

 

解決は「副業」?

 

いやいやそんなことをしている時間的余裕はどこにもないだろ。

 

育児で手いっぱい。

 

 

 

そんなことを考えているうちに50歳になっちゃうのかな???

 

 

 

人生これで良いのか?

 

地元つくば市のスマートシティプログラムに脚を突っ込んだ方が、東京のオフィス開発よりも面白くないか?

 

ただし、年収は半分になるだろうなぁ・・・。

 

 

541.日本に足りていないものはなんだろう

先週の研修でも先生から「イーロン・マスクを読みなさい」と言われました。

 

実際に半月前くらいから少しずつ読んでます。

 

 

とてもじゃいけど、これが参考になる人生だとは思えないぞ…。

 

あまりにも痛い。

 

共感力がせいぜい人並み程度の私でも、この人生は痛すぎると思う。共感して辛くなる。

 

 

 

 

どうなんだろう。

 

日本の一人当たりGDPは下がる一方。

 

労働年齢あたりの一人当たりGDPも、頑張ってはいるけど、やっぱり悶えている。

 

ただ、日本の労働時間あたりの生産性は良い感じ?

 

ちょっと古いデータですかこんな感じ。

https://dhbr.diamond.jp/articles/-/4886

 

 

 

さてもう1つ、株価という面でもこんなデータがあります。

https://toyokeizai.net/articles/-/664329?page=2

 

米国の株価指数S&P500の成長率は素晴らしいけれども、S&P495(GAFA除き)は日本株(topics)の成長率とほぼ同じ。

 

 

 

結局、Winner take allのマーケットの巨人をこの30年間で育てられたかどうかが国の生産性(活力)に大きく寄与しているとも言える。

 

 

 

日本は、昭和のがむしゃらに働いていた時代、ほとんどは専業主婦の家庭で、そのかわり夫は会社で年間2500時間とか働いていました。

 

 

労働年齢人口が減少に向かい始めた平成。

 

日本は女性の労働参加率を高める(M字カーブを解消する)ことに成功しますが、非正規雇用、パートタイムの拡大もあり、正規労働者の雇用拡大には失敗し、労働者一人当たりの労働時間は下がり続けます。

 

安定しない職種が増え、若者の給与水準が上がらなかった。

 

https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/99.html

 

いまでは正規雇用は70%を切り、正規雇用労働者の年間労働時間は2000時間でずっと横ばいのまま。

 

これも幸せな姿とも言い切れず。

 

共働きで、家庭内で3000時間の労働時間を確保(夫婦で共に年間1500時間ずつ働く)。

 

これくらいが人生を豊かに過ごすためにいいバランスなんだと思います。

 

家庭から年間4000時間の労働時間を吸い上げようとすると、子育ては難しくなります。

 

 

 

さて、話はもどってイーロン・マスク

 

金持ちにはなれるかもしれない。

 

名前は残せるかもしれない。

 

けれどもイーロン・マスクは幸せな社会構造を作れているだろうか?

 

金銭対価の代わりにガムシャラに働くことを要求する経営スタイルは、とてもめざすべき将来を作るとは思えず。

 

 

 

MBAで教える成功事例はイーロン・マスクであり、スティーブ・ジョブズであるらしい。

 

しかし、人生はもう少し複雑で、深みのあるものだと思う。

 

あんな単純な生き方では面白みがない。

 

まあ、目標を単純化するから自分のエネルギーを集中できるのだけれども。

527.刺激的だわ…

日曜日にも関わらず丸一日研修。

 

朝から晩までがっつり討論。

 

1か月かけてストーリーを作りましたが、発表ではボッコボコでした。

 

ここまでコテンパに熨されたのは久々…。

 

 

 

8か月間に渡る研修乗り換えし地点。

 

家族に隔週末で迷惑をかけるこの研修。

 

なんとか成果を出したいところではあるが…。

 

 

 

ムーンショットプロジェクト…。

 

2050年の社会課題を解決するサービスモデル。

 

既存事業を忘れて、ぶっ飛んだサービスを考えろとは言われるけれども、みんなの共感も大事だからどうしたものか…。

 

イーロン・マスクジェフ・ベゾスラリー・ペイジセルゲイ・ブリンスティーブ・ジョブズ…。

 

ビジネススクールの課題冊子は読んだけど、それらの面々にほぼ共感できない。

 

特にイーロン・マスクジェフ・ベゾススティーブ・ジョブズ…。

 

本当にこの人生が幸せな人生なのか?

 

とてもじゃないけど、家庭が崩壊して、子どもの子育てにもかかわらず、好き放題やっている人生が素敵とは思えないぞ…。

 

仕事もいいけど、私は程々で十分だわ…。

 

 

 

先日の経産省元局長の公演を聞いても、今日のビジネススクールの講話でも、日本に足りていないのは寸暇を惜しんで新しいことにチャレンジするエネルギーを持った若者らしい。

 

一方で数年前の日本の大学生のアンケートは、一番なりたい職業は「公務員」、その次に「大企業の社員」、次が「弁護士」や「会計士」のような専門職、最後が「起業家」だったらしい。

 

ちなみにアメリカは全くその反対らしい。

 

分かりやすい!

 

低温体質の日本。

 

 

 

 

 

 

私がめざすのも子どもと一緒にいる時間を最大化できる生き方。

 

これも1つの生産的な生き方だと思うけどなぁ。

 

 

 

 

さてさて。2050年のぶっ飛びサービスモデルをどうしたものかな…。