ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

24.少子化対策の政策評価方法(コーホート)

近年、少子社会、高齢社会の社会的課題が多く議論されています。

 

2018年の合計特殊出生率が1.42人となり2015年の1.45人以降、足踏み状態が続いています。

 

近年、政府は保育園無償化などの政策を進めていていますが、世代代替可能な2.07人から大きく下回っているほか、政府が目指す1.8人までもほど遠い現状があります。

 

f:id:rudolf1981:20191215072702p:plain

合計特殊出生率の推移

 

この状況に対して、もう少し細かなターゲットを定め、誰にどのようなサービスを展開すべきか考えようとしたときに、その年の各世代の出生率を合計した合計特殊出生率は、実はなかなか使いづらい指標になります。

 

たとえば、こんな指標もあります。

 

 

 

f:id:rudolf1981:20191215073041p:plain

コーホート平均出生児童数

 

これを見ると、団塊の世代の親たちは、実は出生率が4人を超えていたという事実はなく、2.5人前後だったことが分かります。

 

戦後、敗戦による平和が訪れた環境下で、その時に出産適齢期を迎えていた各世代がいっせいに子供をもうけた。これが1947年~1949年の団塊の世代を生み出したといえます。

 

さて、近年をピックアップしてみますと、さらにこんな状況が見えてきます。

 

f:id:rudolf1981:20191215073543p:plain

コーホート平均出生児童数(近年)

 

やはり、団塊の世代は子供をもうけなかった傾向が見て取れますが、2007年前後に見られた1.26人といった少ない傾向にあるわけだはなく1.45人超だったことが見て取れます。

 

出産適齢期が25歳~29歳だった団塊の世代から、30歳~34歳が適齢期となった団塊の世代Jr以降への移行時期(晩産化の進行時期)と重なったため、1.26人といった数字が出てきたことが分かります。

 

また、団塊の世代Jrよりも後に生まれた1980年前後の世代は、子供をやや増やす傾向にあり、39歳までの平均児童出生数、34歳までの平均児童出生数は回復傾向にあります。

 

しかしながら、1990年前後の世代では、さらに晩産化の傾向が進み、29歳までの平均児童出生数は1980年前後の世代に比べてさらに落ち込みを見せています。

 

こういった、コーホートで見た出産傾向をはっきりと掴んだ上で、今後求められる政策は、1980年代生まれの30代中ごろから後半の世代に向けて、「あと一人産みたい」と思える政策の提供と、出産が遅れている1990年前後生まれの新30歳世代に向けて、結婚や子供をもうけることへの丁寧な説明、体力や経済力を踏まえた適齢期の啓蒙が必要になるということが分かります。

 

以上