ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

Y05.4度目の育児休職(5日目)  ~『縛られる日本人』を読んで~

お題「我が家の本棚」

 

昨日読み始めたメアリー.C.ブリントン氏の著書『縛られる日本人 人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか』を完読しました。

 

いやあ、次女はちゃんと昼寝をしてくれるからえらい!

 

honto.jp

 

 

 

本の内容を超簡単に要約すると以下のようなことになります。

 

・日本の少子高齢社会は非常に厳しいレベルにある。これは1970年代以降の低出生率の社会を放置し続けた結果である

 

・世界的に見ると、経済成長段階においてある段階までは出生率が下がるが、そこからさらに経済発展を遂げると少しだけ出生率は持ち直す傾向にある。しかし、OECD加盟国の中で2か国だけ例外があり、日本と韓国がそれである

 

・男性は仕事中心の生活で、女性は仕事と家事、育児のすべてこなさなければいけないという社会を構築してしまっている2ヵ国(日本と韓国)の出生率が低い

 

・第一子を授かった家庭において、男性が育児休職を取得した家庭では、第二子をもうける可能性が高まる

 

・父親が0歳児のお風呂を入れられる(時間までに帰宅できる)と、母親の満足度が高まり、第二子以降をもうける可能性が高くなる

 

・よって、少子高齢社会に直面している日本への処方箋としては、とにかく父親が4週間以上の育児休職を取得させること。さらに、家事、育児両面でジェンダーによる分業を減少させ、共に有償労働と無償労働を分かち合う社会を構築することだ

 

 

 

日本への処方箋の内容も含めて、的確なご意見だと思いました。

 

この本は日経新聞の土曜欄で推薦されていた本なのですが、日経新聞を読まれる重鎮の方々はどれほど目を通されたかなぁ・・・と。

 

 

 

ちなみに著者へのささやかな異論としてはコーホート出生率を使って、日本では経済発展をを遂げても出生率が上向かない傾向にある。と示した点ですが、その先の世代のコーホート出生率はこうなっています。

 

コーホート出生率

著者の示している1974年前後まではコーホート出生率は下がっていますが、その先の1980年生まれ前後の出生率はやや持ち直しているんですよね。

 

この世代はまだ40代前半ですから、さらに増えることを期待できる年齢ですが、すでにコーホート出生率が1.5に達しています。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

 

 

男性の育児休職を広めるためには、同僚が育児休職を取っていることが大切とのこと。

 

また、上司が育児休職を取得していると、同僚が取得していた場合よりもさらに2.5倍の効果があるそうです(若者が育児休職を取得しようと思える環境が作られる)。

 

 

 

 

少し話は変わりますが、ピーター・F・ドラッカーは「日本人はあるとき社会を180度転換する特異な能力を持っている。」と評価しています。

 

近代で言えば明治維新が1度目(鎖国から近代化へ)で、2度目が第二次世界大戦での敗戦(軍国主義から経済至上主義へ)。

 

3度目の転換は、長らく『国債破綻による経済大国からの転落』によって、180度の意識転換が起こるのではないか?と言われてきましたが、もしかすると異なる意識転換で社会を変えることが可能になるかもしれない。

 

180度の転換を可能にしているのは、良くも悪くも個人が自己主張できない世の中、空気がすべてを決める世の中だからです。

 

空気が入れ替わると、個人がすべて風見鶏のように違う方向を指し始めるのが日本。だから、突如として刻印全員が180度違う方向に向くことができるのです。

 

 

 

『もしかして』ではありますが、男性育児休職が「当然でしょ」という雰囲気なると、突如として出生率が劇的に改善し、将来の日本の人口予測が一気に塗り替わって(これは日銀の『期待』に訴えかける金利操作よりも分かりやすく、予測に現実性が伴います)、日本への投資が加速する。

 

とにかく、将来、20年後、30年後の人口が『減らない!』『合計特殊出生率が2.1になった!』というニュースだけで、今の日本の『暗い』『行き詰った』雰囲気は劇的に晴れ渡った環境へと様変わります。

 

そんなニュースが2年も続けば、企業経営者としては「何でも出来そう!」という超ポジティブマインドになります。

 

男性育児休職の取得率が4割、5割を超えて、「当たり前」という雰囲気が日本の空気として定着してくると、もしかすると、もしかするかも・・・。

 

 

 

と、いうことで、2013年2月に会社で初めての男性育児休職を取り、2015年12月に会社で2例目の男性育児休職を取り、2023年のいま、4度目の0歳児育児を行っている身としては、「ぜひそうなってほしい」と願うばかりです。

 

この著者と話をしてみたいな。

 

以上