家事能力は育成するものです。
共働き家庭において、パートナーの家事能力の育成は、自分のためにも絶対に必要なタスクになります。
自分が出張に行ったり、仕事の繁忙期で家に帰れないことが多くなったり、発病したりしたり、そんな時に家庭の諸業務が崩壊しないようにするためには、最低限の家事は少なくともパートナーに出来るようになってもらうことが必要です。
もしも、自分が海外出張から帰ってきたら、家の中が崩壊していた。それに対して不満を述べたら、相手から「ずっと家を空けていたお前が悪い!」と言われた場合、イライラが募りませんか?
そんなことを経験すると、次回、有力な案件で海外出張にアサインされる可能性が出てきた際のためらいにつながりませんか?
次回も、チャレンジングな気持ちで海外出張に向かうためには、「お帰り。出張大変だったね。面白い成果は出た?」と、笑顔で帰宅を待ってくれるパートナーの存在が必要です。また、帰国を待つ側も、その言葉を心から発言するためには、日々の家事が当然に出来るようになっておくことが必要なんですよね。
将来に目を向けて考えてみても、子供をもうけた後の子育て期間中は、子供の生理的要求に対応するだけで体も心もいっぱいいっぱいになり、パートナーの家事の手際の悪さ、サボタージュにどうしてもイライラしてしまいます。
まず、子供がいない2人の間に、お互いに最低限の家事能力は身に着け、加えて得意とする家事分野を増やしていきましょう。
ちなみに家事に求められる能力は、乳児を抱えると難易度が倍増します。
料理を作っている最中にも、おむつを替えなければなりません。
包丁を持っていても、フライパンで炒め物をしていても、リビングで1歳児がハイハイをして、つかまり立ちをして、危ない状態になっていたら、すぐにケアしに行かなければなりません。
掃除をしようとしても、電源コードで遊ぼうとしますし、片づけたそばからティッシュをつまみ出してみたり、おもちゃ箱から人形を引っ張り出してみたり。
月齢によって、難易度が上がるもの、下がるもの、いろいろありますが、それでも夫婦だけの時に簡単に出来ていた作業が、格段に難しくなります。
その段階で、今までパートナーに求めていなかった作業を、「やって!」と要求しても難易度が高すぎです。
まず、簡単な状態。大人だけの状態の時に、スキルを揃えておくことをお勧めします。
家事の能力育成も、部下の能力育成も同じです。
手が空いているときに、部下の育成に力を入れていると、繁忙期に部下が戦力になってくれます。
通常時に自分一人で仕事をこなし、部下の育成を放置していると、いざという時になって部下が使い物にならず、上司からは「人工は足りているだろう。しっかりやれ。」と言われて、詰んだ状態となります。
(訳:夫婦だけの時に、自分だけが家事を引き受け、夫の家事能力育成を放置していると、子供が生まれた時に、「自分のめんどうをしっかり見ろ!」という子供の強烈な指令に対して、自分1人では仕事を継続しながら育児と家事をこなすことができない状態になり、精神的に行き詰ります。結果として、仕事にしか能力を発揮しない夫に対してのフラストレーションがたまります。)
まずは、夫婦二人の時間に家事能力を育成することが大切です。
自分がどの家事を得意とし、どの家事を苦手としているか、相手はどうか、二人で家事のリストを作成し、自己評価と他人評価を付けて話し合ってみましょう。