今週、とあるレポートを見ました。
このレポートを見る前と、見た後では「世界の見え方」が変わってしまった。
それくらい面白いレポートでした。
私の手元に管理している統計データの中でも2025年前後から、東京圏の人口がとうとうピークを迎える。というのは分かっていました。
地方都市から若者を呑み込む、江戸時代から変わらぬ大都市江戸東京の機能をもってしても、少子高齢化に伴う自然減少を補えなくなるということです。
それは分かっていたのですが、その統計がどれくらいのインパクトを持つ可能性があるかを知っていたつもりで、まだ甘く見ていたのかもしれない。
日本の労働年齢人口のピークは1995年でした。
そこから日本の労働年齢人口は駆け下っていますが、東京だけは都市的発展を続け、2008年に総人口のピークを迎えてもなお、東京圏だけは人口が伸びています。
2023年末も東京都の人口は過去最高(1410万人)を更新しました。
ただ、東京のベットタウン機能を持つ1都3県(神奈川県、埼玉県、千葉県)で見ると、いよいよ人口の転換点を迎えそうだ。ということです。
人口構成は確実に需要に跳ね返ります。
1990年代の土地バブル崩壊は、労働年齢人口の転換点を読み違い、供給者である不動産会社が、住宅やリゾート施設を供給し続けたところに需給の乖離が産まれ、長期的な価格崩壊を招きました。(他国でもまったく同じで、現在の中国の住宅バブル崩壊も労働年齢人口の転換点で発生しています)
近年、女性の労働参加率を上げ、65歳までの雇用を義務付けるなど、15歳以上の人口に占める労働力率を目一杯引き上げ、何とか「労働者の総数(労働力人口)」は維持していたのが日本です。
2001年以降、日本の労働力人口はずっと横ばいで6800万人前後です。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/23/dl/23-1-1-2_02.pdf
日本全体の労働力人口が横ばいの中で、東京圏だけは人を惹きつけ、人口が増え続け、住宅も商業施設もホテルもオフィスもバンバン建て続けています。
人口が減っても東京圏だけは大丈夫。
いままで大丈夫だったから、これからも大丈夫。
この安心感が東京圏にだけはあります。
これが2024年までの世界。
しかし・・・。
建物は建設すると、滅失するのにも費用がかかるため、長期間、建物の空間価値は世の中に提供され続けます。
いくら需要(人口)と供給(建物)のバランスが崩れ、供給過多の状況になったとしても、供給側が調整(建物を撤去)できるのはほんのわずかです。
その間にも需要(人口)は少子高齢化により減り続け、未来永劫需給バランスを回復することとは出来ない。
東京都心のオフィスビルの未来はそういう世界だ。とレポートは数字で示してくれました。
たぶん、日本全体が見落としていた(気にしていなかった)統計。
つまり、日本の人口は減っている(みんな知っている)が、日本の労働力人口(働く意欲を示している人)は2001年から2023年までずっと6800万人前後で維持されている(ほとんどの人が知らない)。
この状況が「人口が減ってもGDPは維持される」「人口が減っても東京圏は大丈夫」という疑似相関的なつながりを作ってしまったのだと思います。
人口が減っても ⇒ (労働力人口が維持されれば) ⇒ GDPは維持される
人口が減っても ⇒ (労働力人口が維持されれば) ⇒ 人を惹きつける東京圏は成長できる
この真ん中の要素をみんな見落としていた。
そして、2025年以降は、日本全体の労働力人口も、東京圏の労働力人口も、とうとう転換点を迎え、2001年以降も維持させ続けていた労働力人口6800万人という日本の臨界点が来るよ。ということです。(下記グラフが一番わかりやすいかも)
図1 労働力人口|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)
現在、都内のいたるところで巨大なオフィス開発が進んでいます。
それらが大量に竣工する2025年以降、どんな世界が来るのでしょうか・・・。
日本の労働年齢人口のピークは1995年
⇒ 土地バブル崩壊
日本の総人口のピークは2008年
⇒ 日本国内の人口要因ではあまり何も起こらず
日本の労働力人口のピーク2025年ごろ
⇒ この先、何が起こるか
労働者の働く場所としてのオフィスの需給はどうなるか
ここまでお読みいただき有難うございました。
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