ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

Y07.4度目の育児休職(7日目)  ~ N分N乗方式は画期的 ~

新入社員の時から5年間、毎月、税の勉強会に出席していました。

 

その中で、最初に(故)平川忠雄先生に教わったのが「税は国家なり」という言葉でした。

 

税の在り方は、国家の方針を表す。

 

 

 

自民党の茂木幹事長が提案された「所得税のN分N乗方式」は極めて画期的です。

 

この方式を導入することで推進できる(方針として国民に示せる)内容は以下のとおりです。

 

 

①結婚を後押しする

(どんなカップルであれ、1人1人バラバラで所得税を納めるよりも、世帯所得として所得税を納めた方が、税金が安く(もしくは同額)なります。)

 

 

②未来の生産者であり納税者を増やしてくれた家庭の税を低減する

(子育てには多額の支出が伴いますが、子供が育ってから利益を得るのは国家です。納税者となってくれるからです。この家庭のお金で育てて、国が利益を享受する。というアンフェアな構造をN分N乗方式は是正する効果があります。)

 

 

③現在の労働力を確保できる(130万円の壁をきれいに取り払える)

N分N乗方式に移行されると、家庭内の高所得者所得税が低減されます。その家庭内の原資で、配偶者側の社会保険料を支払うことができます。いままで130万円で抑えて来ていた主に女性の働き方を大きく変えられる効果があります。)

 

 

④人的資本への投資が高まる

(③効果の派生形ですが、所得上限を130万円でおさえる必要がなくなる人財は、より高額所得を求めて働くようになります。対して雇用主側としても、主たる労働者として位置づけられる人財には積極的に投資するようになります。)

 

 

 

労働年齢人口が減り続け、労働力不足に悩んでいる日本において、現在の労働力量を引き出すうえでも、将来の労働者(生産者であり納税者)を増やすうえでも画期的な税率です。

 

www3.nhk.or.jp

 

 

 

 

画期的なのですが、デメリットもある。

 

あたりまですが、税収が下がります。

 

所得税は20兆円程度の税収であり、国家税収の約30%を占めます。

 

ちなみに、約35%が消費税、約20%が法人税、残りの15%は相続税揮発油税、たばこ税、酒税、その他・・・です。

 

そして税収の外側に赤字国債があり、歳出の穴埋めのために発行されています。

 

さて、N分N乗方式を取ると、所得税収が3~5兆円程度減るでしょう。

 

その穴埋めをどうするか。

 

 

 

案1 歳出を減らす

 

もっとも減らしやすいのは、「既に増やすと決めたもの」を「増やさないようにする」ことです。

 

防衛予算をGDPの1%程度に維持する

 現在5兆円の防衛費を2027年以降10兆円近くまで増額する計画を政府は示していますが、これを現在の防衛予算に抑えてさえいれば、その財源を使ってN分N乗方式は導入できます。

 

 異次元の少子化対策政策を行うのであれば、これが一番。まさに生産的!

(破壊と殺戮を効果的に行う『武器』から、将来の生産と活力を生み出す『子供』へ予算を転換する)

 

 

 

案2 歳入を増やす

 

所得税率のラインを変更をする

 現在900万円以上の所得に対して33%、1800万円以上の所得に対して40%などとしている所得税のバランスを、N分N乗方式導入後は、700万円以上に対して33%、1200万円以上に対して40%などに変更して、税収のバランスを取ることです。

No.2260 所得税の税率|国税庁

 

 このやり方では、高額所得のお1人様世帯の所得税が増え、子育て世帯の所得税が減ることになります。たぶん、最も『異次元の少子化対策』としての方針を示せる方法です。

 

 

アベノミクスお得意の赤字国債の発行

 何の生産効果も得られない防衛費に赤字国債を使用するのは全く不可思議ですが、将来の納税者を増やす取り組みに対して、将来の納税者の税金を根拠に発行する赤字国債を増やすことは、将来の子供世代に対しては申し訳ないですが、ロジックとしては成立しています。

 

 

法人税率を上げる

 私が入社したころ、法人税の実効税率は40%超でした。そこから現在では30%程度に下がってきています。企業投資を促すために法人税率を下げたわけですが、結局、無借金経営に舵を切るばかり(金利支払いによる税の低減効果も弱まったため、現金を溜め込むことのメリットがより強くなった)。

 

 グローバル企業は、日本から出て行ってしまう、外国で納税してしまうとは言いますが、みんながみんなソフトバンクのようにスレスレのやり方を好むわけではないでしょう。

 

 

④消費税を上げる

 最後の手段は消費税を2%程度上げること。そうすれば、N分N乗方式は導入できそうですが、消費税はエンゲル係数の高い家庭ほど所得に占める納税割合が高くなってしまう逆進性の効果を持っています。

 

 N分N乗方式は、所得が高く、子供の多い家庭ほどメリットが大きくなりますので、その時点で高所得者優遇と言われるわけですが、さらにその歳入補てんに消費税を使う・・・となっては、国民の理解は得られないと思いますので、これは最後の手段ですね。

 

 

 

 この辺りのミックスポリシーで、なんとか『異次元の』というからには、このN分N乗方式を導入してもらいたい。これが制度設計されると日本は変わるな。

 

 次の投票では、この政策を本気で推進してくれる政党に投票してみよう。

 

www.nta.go.jp

 

以上