ホモサピエンスは東アフリカの一角で誕生し、あっという間に地球上に広がりました。
移動すること、その先を見てみたいと思う欲求が、遺伝子に組み込まれているかのようです。
しかし・・・。
ウーバーイーツなどのCMなどからも分かる通り、将来、日用品ですらアプリで注文すれば、すぐに家にとどく世界がやってきます。（大都市部に限り）
アマゾンのように１～２日待てば、ほぼ何でもそろう世の中になります。
信用度の高い家庭（アプリで指定した時間にちゃんと受け取ってくれる確率が高い家庭）には、無人運転の宅配ロボが家の前まできてくれることでしょう。
下手すると、ペッパーの進化系みたいな家庭内ロボが勝手に受け取ってくれます。
自分達の生活を維持するための人間の移動はほぼ必要なくなる時代が来ます。
「働く」という側面の移動はどうでしょう。
将来的に、オフィスはほとんどいらなくなります。
人間に残される「生産的な活動」がほとんどなくなるからです。
オフィスが持つ機能は、今日も「コミュニケーション」「エンゲージメント」に寄ってきています。
働くだけならリモートでもできるけど、「仕事仲間と一緒にいる！」というリアルの体験作りの方にオフィスの価値を見出そうとしています。
もう「効率的」という側面でオフィスが必要なわけではないのです。
効率だけ考えれば、オフィスなどのコストをかけずにリモート勤務を導入した方がずっと効率的。
「監視」という意味でオフィスを欲しがる経営者はいるのですが、これが無くなるのも時間の問題でしょう。
労働者の「監視」を必要とするような業務は、ＡＩへの置き換えも速いです。
オフィスの価値がないとなると、働くために満員電車に毎日乗らなければならない。という通勤移動も必須ではなくなるわけです。
しかしながら、人間はどうしても集まる場所を欲しがる。と思います。
現時点では、昭和平成からの延長線上で大人の集まる場所を「オフィス」にしようとしているだけ。
将来、わざわざ満員電車に乗って、大人の『ナーサリースクール』に行きますかね？
『ナーサリースクール』に通うだけなら近い場所でいいんじゃない？
どこかのアウトローが言っていました。「実際に今でも人間の価値創造の領域なんてほとんどない。あるのは人間の無駄な組織を運営するための無駄な活動だ。」と。悲しいですね。
でも、当たらずとも遠からずだと思います。
農場や牧場などの生産現場には「ブルシットジョブ」はほぼ無いと思いますが、工場になると少しずつ増え、丸の内や大手町、六本木や渋谷と言った高級オフィス街は「ブルシットジョブ」が山ほどあるはずです。
人間が組織化すればするほど、間違いなく増える。
大組織の弊害というか、大組織を回すうえでは仕方のない代償というか・・・。
【人間に残される価値ある活動は、無駄に移動することと、仲間と一緒にいること】
あと３０年もすれば、働くという行為にも、食べるという行為にも、移動は必要なくなるんです。本質的には・・・。
それでも、人間の『移動したい』という遺伝子的欲求は発動するように思います。
仕事でも、日々の生活でも、「必要性」は無くなるのだけれども、「運動」「遊び」「レクレーション」「旅」「冒険（的？）」・・・そういった余暇の時間としての消費行動が、ある意味では生産行動的に感じるように社会が移行するように思います。
キャンプをしてYouTubeに配信している人や、旅先で撮った映像をコンテンツとして公開している人などは、まさにそんな人たちの先駆け。
もちろん、リアルな移動だけではなく、脳が「移動している」だと刺激を受ければいいだけなので、ゲームの世界やメタバースの世界での「移動」「冒険」も引き続き流行るでしょう。
だけど・・・。結局、人間は誰かと一緒にいたいの。
５人くらいの親しい仲間と、どうでもいい話をずっとしていたいの。
アフリカで生まれてからついこないだまでずっとそういう生活をしていたのだから。
そのくだらない話をワイワイする仲間と一緒にいられる空間づくり。
それが今まで、大人にとっては「オフィス」だったわけだけれども、今後もそれが「オフィス」であり続けるとは限らない。
大人が平日昼間にたむろすることができる場所。
デベロッパーでは「サードプレイス」と呼んでいますが、スターバックスのようなゆっくりできるカフェ機能などで十分なのではないかと。
巨大なオフィスの再開発を推進しながら、心の中では「このアセット、出来上がるころにはオワコンだな・・・」と思っているこの感じ。
結構辛いんですよね。
どんなアセットならこれからの日本でも作る価値があるかなぁ・・・。
サードプレイスだけ？？？
下記のバナーをクリックして本ブログを応援頂けると励みになります。
ここまでお読みいただき有難うございました。
