ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

159.いま人間が戦っている相手はどれくらい強いのか

昨年1年間、人々を悩ませた共通の敵。新型コロナウイルス

 

いや、『敵』というのは人間から見た主観過ぎるか・・・。

 

地球上で生存競争を繰り広げているライバルとでもいうべき相手。

 

昨年1年間の日本のデータ(2020年12月23日まで)を用いるとどんなことが分かるか調べてみました。

 

 

 

①世代別の致死率

このライバルは、高齢者にとって極めて厄介です。

f:id:rudolf1981:20210101232156p:plain

世代別致死率

 

見てのとおり70代以上にとっては、極めて危険性の高いウイルスです。

 

80代以上では、PCR検査で陽性となった方のうち、6人に1人が亡くなっています。

 

70代でも、17人に1人が亡くなる計算なので、そう簡単に感染してよい病気ではありません。

 

 

 

②日本の致死率(理論値)

日本の人口分布は以下のようになっています。

 

f:id:rudolf1981:20210101232747p:plain

階級別世代人口

 

この人口分布をもとに、人口加重平均を行い、日本の致死率(理論値)を導くと2.52%という理論値が得られます。

 

f:id:rudolf1981:20210101232952p:plain

日本の致死率(理論値)

 

2020年の状況で言えば、どの世代にも平均的に感染が広がれば、40人に1人の割合でPCR陽性者の中から死者が出てしまう計算になります。

 

 

 

③世代別の感染症対策の状況

このライバルに対して、人間はどのように予防処置を取ったのでしょうか。

 

下記のグラフのとおり、当然の結果となりました。

 

f:id:rudolf1981:20210101233444p:plain

世代別100万人あたりの感染者数と死者数

 

当たり前ですが、致死率の高い世代ほど、感染症対策を行っていることが分かります。

 

ただし、このグラフからいくつかの考察が出来ます。

 

 

親の監視下にある子供のコミュニティ(学校・塾・保育園・他)では感染がそれほど広がっていない

 

大学生や社会人に18歳、19歳が含まれることを考えると、その2年は20代とほぼ同じ行動を行っているものと考えられますので、逆に言えば、10歳未満と、高校生までの10代(親の監視下にある子供)はどの世代よりもコロナウイルスに感染していない世代と言えます。

 

橋下元大阪府知事などが当初言われていた「スペイン風邪(インフルエンザ)は、軍隊と学校で広がっていった。学校はクラスターの大きな要因となる。」という説とは、明らかに異なる傾向を示しています。

 

インフルエンザとコロナウイルスは致死率の傾向にも違いがありますが、感染が広がる場所も異なるようです(インフルエンザは低年齢の致死率も高くなる)。

 

 

20代(と、高校を卒業した10代)は経済には貢献するものの・・・

 

次に20代(と、高校を卒業した10代)。

 

こちらは、かなり無防備に行動しています。

 

どの世代よりも新型コロナウイルスに対して無防備です。

 

致死率はほぼ0%。

 

『自己責任』で完結できる世代。

 

ただし、後遺症の発症者はかなりの割合になっていますので、後遺症の続く期間にもよりますが、余命が長い分、後遺症による健康被害の損失累計は高くつきそうです。

 

 

30代は家族構成によって対応が異なる模様

 

10代未満で感染が広がっていないということは、子育て世代の親がどれだけ感染症に対して予防処置をとっているかが分かります。

 

10代未満の子供の場合、子供へ家庭内感染させないように親が自宅療養することは極めて困難です。

 

10代未満の世代の感染率の低さは、その親世代の感染症対策の徹底にもよるところが大きいと思います。

 

それでも30代の感染者数が多いということは、子育て世代以外の30代は、20代と同じような行動をとっているということが考えられます。

 

20代の6割程度の感染者(20代は100万人あたり約3500人、30代は約2000人)という数字は、そのあたりの影響ではないかと。

 

 

50代は20代の巻き添えも

 

致死率は40代の約3倍なのに、感染症対策は40代とほぼ同じ程度しかやっていない50代(40代、50代ともに100万人あたり約1500人)は、とてもユニークな存在です。

 

一つには、同居している子供が20代で、そこから家庭内感染している可能性が考えられます。

 

一方で、子育てが一段落した50代は、飲み会を我慢できずにひょいひょい出て行く姿も見受けられます。

 

50代は致死率がある程度低く、それでいて段々と我慢が効かなくなる年頃に差し掛かっているともいえる。ということでしょうか・・・。

 

 

介護施設クラスターが起きている可能性

 

70代よりも圧倒的に致死率が高くなる80歳以上の方が、100万人当たりの感染者数が多くなる(70代は約700人、80歳以上は約1000人)傾向については、介護施設でのクラスターの可能性を伺わせます。

 

一方で、20代からその親世代の50代へ、さらに50代から介護している80代へ。という感染の流れも否定できません。

 

 

本当に学校でクラスターが発生していないのか?

 

あれだけ感染症対策が徹底されている高齢者施設よりも、10歳未満の方が感染者数が少ない(100万人あたり約500人)というのは、本当なのだろうか?

 

あれだけ密な保育園で、高齢者施設よりも感染が広がらない理由は何だろうか?

 

最終的には抗体検査をしてみないとわからないと思います。

 

保育園児や小学生は、そもそも新型コロナウイルスに感染しても『ただの風邪』という症状で終わるのでPCR検査対象になっていない。対して高齢者は新型コロナウイルスに感染すると重体化しやすく、すぐにPCR検査される。

 

ただそれだけなのかもしれない。

 

こればっかりは、抗体検査をしてみないと、本当はどこで感染が広がっていたのかは分からないと言えます。

 

 

とはいえ学校が隠れた感染ルートではないというエビデンスはある

 

8月の休校期間から、夏休みが明けて全国の小・中・高校生が学校生活に戻りました。

 

その前後で、感染スピードは変化しませんでした。

 

この結果は、明らかに学校が隠れた感染ルートではないことを証明しています。

 

 

 

最後に

 

現在、人間が戦っているライバルは、かなり厄介な相手だと思います。

 

世代間のリスクが明らかに異なり、高齢化が進んでいる国、地域と、若者が多い国、地域では、まったく対応が異なっています。

 

このライバルに対して、人間がどのように一致団結して戦うか。

 

2021年も問われることになります。

 

 

 

以上