第5波をようやく終息させて、人々が自由に街を闊歩し始めても、以前のようなリバウンドは見られません。
明らかにワクチンの効果を感じます。
ただ、ドイツなどワクチン接種が先行して進んだ国で再度感染拡大しているので油断は禁物と思いつつ、今は少しホッとしています。
それでは、ワクチン効果はどのような数字として表れているのか少し紹介します。
まず、ワクチンを先行摂取させた後期高齢者世代で、第5波の致死率が劇的に下がりました。
前回のご紹介から、世代不明者の取り扱いを変えたため、第4波(英国株)の致死率評価が下がっています。
前回の解析結果を訂正させていただきます。
それでは第5波(インド株)はどうだったかというと、80代以上の致死率が17%台から7%台に半減しています。
また、70代の致死率も6%台から3%台に下がっています。
逆に、まだワクチン接種が進んでいなかった50代以下の世代では、全世代で致死率が上がっていますので、英国株よりもインド株の方が死亡確率の高い変異ウイルスになっていたように思います。
上記の結果から、ワクチン接種には重症化予防効果が明らかに存在する。というエビデンスとなっています。
さて、重症化予防効果は分かったので、あとは発症予防効果はどうかということですが、累計と第5波抽出で比較させていただきます。
左が2021年11月2日までの累計波形。
右が第5波の抽出波形になっています。
100万人あたりの感染者数(青い面グラフ)がほぼ同じ波形となっていますが、ワクチンの先行摂取が進んでいた70代以上で明らかな違いが見て取れます。
大変な感染力を示したインド株ですが、以前までの世代間感染分布と比較すると、第5波では高齢者に感染が広がらなかったことが見て取れます。
(なぜ波形で議論するかというと、各世代で行動パターンが異なるので、単純な比較が出来ないためです。累計で見た行動パターン別の感染傾向と、第5波の感染傾向を比較することで、ワクチン接種効果が計れるのではないかと考えます。)
まとめ
・ワクチンには重症化(死亡)予防効果があり、後期高齢者の致死率を半減させる。
・ワクチンには感染予防効果があり、明らかに感染確率を下げている。
特効薬(飲み薬)も続々と承認され始めていますので、もうすぐ夜明けですかね・・・。
以上