ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

149.東京と大阪、沖縄と北海道  ~ 新型コロナウイルス対応の難しさ ~

12月10日現在の新型コロナウイルスに関するデータで、各都道府県の高齢化率とPCR陽性者致死率の相関をとって見ました。

 

当然、『高齢化率が高いほど、致死率が高くなっているんだろうな』という仮定のもとにデータを抽出したものです。

 

横軸が高齢化率、縦軸が都道府県別のPCR陽性者の致死率です。

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高齢化率と致死率の相関

 

近似直線を引いてみると、わずかながらに右肩上がり。

 

その中で、他の都道府県に対して特に致死率が高くなっている県が上記の4県。

 

全体としては最も致死率が高かった第1波のPCR陽性者が0人だった岩手県が、かなり高い致死率となっていることに驚きがありました。

 

しかし、これは本当に相関があると言えるのかな?

 

ということで、サンプルが4000人以上ある都道府県に絞って見てみました。

 

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高齢化率と致死率の相関(サンプル4000以上)

 

サンプル数が多い都道府県をこうやって見ると、なんとなくわかるな。という感じです。

 

でも少し気になったのが、近似式よりも上に大きく乖離している沖縄県と北海道の存在。

 

サンプル数が多い都道府県の中で、最も高齢化率が低い沖縄県と、最も高齢化率の高い北海道で、近似式からの乖離が大きくなっているのです。

 

これは一つには、沖縄県以外の都道府県はすべて政令指定都市を抱えていることがあげられます。

 

北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡、そして沖縄が4000人以上のサンプルを抱えていますので、沖縄県だけは他の都道府県よりも医療体制が脆弱であると言えます。

 

しかし、それだけなのでしょうか・・・。

 

 

 

ここからいろいろな相関を見てみましたが、社会動向を最も捉えていたのは次の相関でした。

 

自分でも発見して驚きでした。

 

横軸が高齢化率、縦軸が都道県別の人口100万人あたりの死者数です。

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高齢化率と人口100万人あたりの死者数

 

見事なまでに右肩下がり。

 

ご察しのとおりです。

 

高齢化が進んでいる県では、県民一人一人が最大の注意を払って行動し、感染拡大防止に努め、知事は人命優先でコロナ対策を進めていることになります。

 

逆に若者の多い都県では、ほぼ『普通の風邪』で終わる若者の行動拡大と、若者の間での感染拡大が止まらず、それが原因で割合としては少ない高齢者層へ感染拡大し、高齢者がお亡くなりになる。

 

そのため、高齢化率が低い(若者が多い)都県で人口100万人あたりの死者数が増加し、高齢化率が高い県では、結果として高齢者が守られることになっています。

 

高齢者にとって一番危険な都道府県は、高齢者がマイノリティである若者が多い場所。

 

沖縄県と東京都だったわけです。

 

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高齢化率と人口100万人あたりの死亡者数(サンプル4000以上)

 

さて、ここでブログの題名に戻ります。

 

東京と大阪、沖縄と北海道と書かせていただきました。

 

それぞれコロナウイルスが蔓延する理由、コロナウイルスにより死者が増える理由が違ったのです。

 

沖縄と東京は若者が多いことにより、新型コロナウイルスに対する感染拡大防止の意識が低くなっており、そこからの理由で高齢者がお亡くなりになっていると言えます。

 

それに対して、大阪と北海道は本来であれば高齢者が多いので、同程度の高齢化率となっている他県と同じ政策でいけば、もう少し100万人あたりの死者数を抑えられる雰囲気作りができたはずだった。

 

道府内の雰囲気作り、感染拡大防止に関する市民のコンセンサスづくりが、若者の多い沖縄や東京よりはやりやすかったはずです。

 

それ(高齢化率が高い)にもかかわらず、100万人あたりの死者数が他の都府県の近似式よりも上に乖離してしまっている理由は、知事が『経済優先』を前面に押し出した大阪府と、GOTOトラベルで9月~11月上旬に大量の観光客が押し寄せ、結果として『経済優先』の状況となった北海道、ということになります。

 

札幌駅のこの秋の人出の多さ、特に土日の混雑状況はドコモの位置情報から分かっていました。

 

現在の途中経過は、その結果を物語っています。

 

 

 

それにしても、高齢化率が高いほど確かに致死率は高くなるけれども、若者が多い方が感染拡大が止められず、結果として高齢者が多くなくなっているというこの事実は、気づけば当たり前と思えるものだったけれども、この相関図が出るまでは考えもしなかった・・・。

 

人口構造の差が、こういった結果を作り出すということだ。

 

 

 

ちなみに、一番最初に戻って、高齢化率が低い沖縄の致死率が近似式から乖離してしまっているのには、一つは医療体制の違いがあると思いますが、他方で若者と高齢者の距離感も影響していると思います。

 

高齢者の感染経路の大半が『家庭内』と『施設内』とのことです。

 

核家族化が進んだ東京などの大都市と、3世代同居も珍しくない沖縄の家族構成の差が、最初の致死率の近似式からの乖離につながっているのではないかと考えています。

 

以上