このところ「職人がいません」という言葉をよく聞くようになりました。
コロナ前までは殆ど聞かなかった言葉です。
コロナ前の2019年。
団塊世代は70歳から72歳。
まだ一人親方として頑張ってくれていたのだと思います。
解体現場、配筋型枠の現場、設備、トラック運送などの物流、昭和の建設を支えた世代が「いつ引退するか」を考えながらも現役で活躍されていた。
そこから5年。
2024年に75歳から77歳になる団塊世代はコロナを機に引退されてしまった感じです。
本当に職人がいないんです。
コロナという社会が止まった3年と団塊世代の引退が見事に重なり、建設業界にインフレが吹き荒れます。
お金に価値がなくなり、若いこと、動ける(健康である)こと、手に職があること、これらが求められる世の中になった感じです。
お金を計算したり、儲かる方法を提案したり、事業スキームを組んでみたり、いくらでもコンサルタントはいる(若い頭脳労働者は引き続き現役)。
現場の職人、農業を支える人々、そういった「本当に生きていくために必要な労働を担う人」が、不足している。
こうなって初めて、団塊世代の担ってくれていた役割のありがたさと、団塊世代の人口割合が高すぎるからゆえにもたらされた労働者の過剰(業界の賃金の低位安定)、若者の新規参入の弊害(労働条件の割に給与が低い)。を強く感じます。
これからは労働者の時代。若者の時代。働くことの価値が買い叩かれない時代です。