ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

310.プーチンも歳をとったわね

一昨日、ロシアがウクライナに侵攻しました。

 

国家戦略からみて、まったく意味不明な行動です。

 

損得勘定が合わない。ソロバンが成り立たない。

 

クリミア半島併合までは、世界史の観点から見てもまだ理解できた。

 

半島という閉じたコミュニティを相手にすること。

 

土地面積や人口に対して、黒海への接続域が広く(海岸線が長い)、黒海周辺国ににらみを利かせるための軍事拠点として、価値が高い場所であること。

 

アイデンティティ的にも、ロシアよりの人が比較的多い場所であったこと。

 

これらを勘案すると、ロシアのクリミア併合は、日本で言えば信長の外国港湾の拠点占領というアイデアに似ています。

 

世界史的に見ると、英国がジブラルタルシンガポールや香港に植民地を設けていたことや、米国が沖縄に基地を置き続けることにこだわっている理由、それらと行動パターンが類似しています。

 

人口や土地面積が少ないけれども、海上交通の要衝である場所、とりわけ本国から切り離されて管理しやすい半島や小島に、小規模に植民地を作る。

 

これは現代においても費用対効果が合う時があると思っています。(費用対効果が合うからと言ってやっていいわけではないけれども・・・)

 

 

 

しかし、今回のウクライナ全土を相手にした侵攻は、何のベネフィットもない。

 

4000万人以上の国民がいる国家を、自分の価値観に染め上げることができたのは、後にも先にも第二次世界大戦後の日本くらいしかないでしょう。

 

ウクライナという中世からの長い歴史がある4000万人以上の民族を、どんなに武力を使おうとも、ロシアと同質化することは不可能だ。

 

統治するのにコストがかかりすぎる。

 

そして、得るものと言えば豊かな穀倉地帯だけ。

 

第一次世界大戦の頃ならそれもまた納得できるけれども、現代において生産拠点は土地から人の頭脳に変わってきている。

 

優秀な人財が、好んでその国で働きたい、その国の人と一緒にプロジェクトがしたい、そう思ってくれるように国を作っていかないと、その国は豊かにならない。

 

今回、ロシアがやっていることは、ウクライナに大きな犠牲を与え、さらに占領後はレジスタンスに対する警備コストを払い続け、得るものと言えば穀倉地帯。

 

世界の優秀な人財からは、忌諱される国の代表格になってしまった。

 

軍事的な側面で行っても、ウクライナNATOに入ろうが、ウクライナを傀儡国家にしようが、結局のところウクライナという軍事的空白地が埋まり、西側と東側の鉄のカーテンがしっかり引き直されることに変わりはない。

 

緩衝地帯がどっちに入るかだけ。

 

以前のように地上軍の時代ならともかく、戦略的弾道ミサイルの時代に、たった1000㎞くらいの差のために、こんなにコストを払う理由はなさそうなものなのに・・・。

 

クリミアを併合したところまでなら、「なるほどね」とロシアの強かさを恐れたが、今回の件は、暴挙としか思えず、世界に悪臭を振りまいているだけだ。

 

 

 

さて、タイトルの話に戻りますが、「プーチンも歳をとったわね」は、速報を聞いた時の妻の言葉。

 

人間、歳をとると何かしら形あるものを求めだす傾向がある。

 

例えば、若かりし頃、信長の世界進出の話を聞いていた秀吉は、日本を統一した後、朝鮮半島の占領に乗り出す(貿易港ではなく、さらに土地が欲しくなった)。この時、すでに老害の頃。

 

国益の損得勘定という、外交上、最も重要な要素を欠き、土地という骨董品集めに走ったあたり、プーチン老害の域だな。とまあ、こういう話です。

 

以上