まちづくりを進める際、一番最初に考えなければならないことは、どうすれば多くの人がその街に来てくれて、たくさんの時間を過ごしてくれるかです。
『いくらお金を落してくれるか』ということを考えていてもまったくいいアイデアは出ません。
訪れた人がその街に長時間いてくれさえすれば、自然と消費金額も増える。
そんな風に考えます。
よって観測すべきは、『何人きたか』よりも『累計で何時間人が滞在したか』です。
30分だけ立ち寄った人が4人いた場合、人数は『4人』ですが、累計滞在時間は『30分×4人=2時間・人』になります。
1人が5時間滞在してくれた場合、人数は『1人』ですが、累計滞在時間は『5時間×1人=5時間・人』となります。
私の経験上、まちづくりの指標としては、『人数』よりも『累計滞在時間』の方が有効だと感じています。
さて、もう一つの仮説で、人は動き回るほど消費金額を増やす。というものもあります。
長時間まちで過ごすということは、その街の景色を眺めてずっと過ごされることもあるかもしれませんが、ほとんどの人はその街の中をうろうろ散策されて過ごされると思います。
今回、自分のデータを用いて類似の研究をしてみました。
後方3ヶ月移動平均の値で、2018年12月を100としたグラフになります。
歩数と消費金額は見事に相関しており、2021年11月までの相関係数は0.793。
強烈な相関を見せています。
今回、たまたま条件が整ったこの検証は、新型コロナによってまちに出歩けなくなった影響が、私個人の消費金額にどのように影響したかを調べたことになりますが、拡張して考えれば、来訪者に街の中を多く歩いてもらうことが、その街での消費金額を増やすことにつながる。ということになると思います。
歩けば、喉も乾くしお腹も減る。ひと休みしたくなってカフェに入ったり、ということも考えられる。
やっぱり、歩くことが楽しくなるまちづくり、駅前に垂直に積み上げるのではなく、街の中に面的にコンテンツを分散させることが重要ですね。
以上