小池知事も丸川五輪相も気になっているようですので、簡単の方法で検証してみました。(気になるけれども結果は知りたくはないと思いますが・・・)
英国型(アルファ株)が蔓延した4月25日以降の緊急事態宣言期間と、インド型(デルタ株)が蔓延した7月12日以降の緊急事態宣言期間を、「オリンピック前」「オリンピック期間中」「オリンピック後パラリンピック前」の3つの期間に分けて検証しました。
指標は東京都接触歴等不明者数です。
この指標は、東京都内の蔓延状況を知るうえで最も役に立つ指標だと考えています。
このブログでも当初から指標として取り上げており、東京都も途中からモニタリング指標として採用しました。
緊急事態宣言が発出されて以降7日間の接触歴等不明者数の平均を発出日の数値とし、その数字が前週比で何倍になっているかを期間ごとにプロットしました(上記グラフのオレンジ色のライン)。
まず、東京都に緊急事態宣言が発出されてから、東京都民がまったく同じ行動をとったとすれば、第4波と第5波の間で倍率を取ると、英国型(アルファ株)とインド型(デルタ株)の理論的な相対速度の関係が成立するはずです。
もしも、東京都民が感染拡大防止策を第4波よりも取れなかった場合は、相対速度が理論値よりも上振れし、逆に、第4波よりも東京都民が感染症対策に前向きだった場合は、相対速度が理論値よりも下振れします。
前回のブログにも記載しましたが、英国型とインド型の相対速度は、インド型が1.5倍程度速いという文献もありますが、だいたい1.3倍~1.4倍程度の範囲ではないかと考えています。
根拠は前回のブログを参考にしてください。
doubleincome-triplekids.hatenablog.com
3期間に分けて倍率をプロットしました。
グラフを見ていただきますと、緊急事態宣言が出てからオリンピックまでの期間は相対速度が1.42倍となっていますので、1.3倍~1.5倍(文献値)の範囲までには収まっています。
このオリンピック前の期間、都民の感染症対策の実施状況は、同程度か、やや第5波の方が都民の心が緩んでしまっているという結果になっています。
しかし、オリンピック期間中は1.65倍と、理論値から相対速度が大幅に上振れします。
完全に第4波の時より、第5波の時の方が危機感が薄れてしまい、感染症対策を怠ったことが分かります。
オリンピック期間後、パラリンピック前までは逆に1.24倍と1.65倍からの反動が見て取れます。
この期間になって、やっと感染症対策に本気で取り組めたという状況です。
オリンピック観戦のために人流が増えたということはデータ的に見受けられませんが、公共放送番組がオリンピック報道に大部分を割いた結果、コロナ対応を行っている病院の状況レポートなどの時間が短くなり、結果として都民の危機感が醸成されにくかったということではないかと思います。
結論としては、オリンピックは新型コロナウイルス感染拡大に影響したか?と問われれば、
間違いなく影響しただろう。
というのが、私の見解です。
ちなみに、最も感染者が多い20代、30代のワクチン接種が遅れているので何とも言えませんが、ワクチン接種の効果を除いた(全員がワクチン接種前だったと仮定した場合)の理論値はこのようになります。
ワクチン接種効果を理論値的に取り除いてみてみると、オリンピック期間中の相対速度が理論値(1.3倍~1.5倍程度)を超えて、突出して高い値になっているという結果が際立ちます。
あまり、理論値を入れて語りたくはない(仮定が増えすぎる)のですが、ワクチン接種効果を除いて考えると、さらにオリンピックは新型コロナウイルス感染拡大に影響を及ぼした。という結論になります。
20代、30代のワクチン接種が遅れている事実を加味すると、ワクチン接種効果を除いた数字と、ワクチン接種効果を加味した数字の間くらいにあるのではないでしょうか。
関連記事
doubleincome-triplekids.hatenablog.com
以上