とうとう自分が作っているモデルでピークをつけて新規感染者が収まる兆候が表れてきました。
第1波以降、第2、第3、第4では再現できませんでしたが、第5波はピークアウトの予測が出ています。
インド型(デルタ株)の感染スピードよりもワクチン接種に伴う集団免疫効果が上回る。
そんなターニングポイントを迎えています。
2週間前からこの傾向が出ていたので、ブログで発表したいなぁと思っていたのですが仕事が忙しく、データのとりまとめ時間が取れませんでした。残念・・・。
自分でもびっくりするくらい、第5波はモデル予測値と観測値が一致しています。
インド型の新型コロナウイルスの感染スピードですが、英国型に比べて1.3~1.4倍程度速そうです。
あくまでも相対スピードになりますが、英国型が、従来型と置き換わる(3%を超えてから80%台に到達するまで)のに、東京では7週間程度を要しました。
また、今回のインド型も、英国型から置き換わる(同上)のに、東京では7週間程度を要しました。
つまり、相対スピードはほぼ一緒となります。
今回、モデルでは英国型は文献に従って、従来型よりも1.32倍感染スピードが速く、インド型は英国型よりも1.4倍感染スピードが速いと定義しました。ただ、実際にはもう少しインド株の相対速度は低い(1.35倍くらい)のではないかと思っています。
ワクチン接種率については、今後も直近1週間と同じスピードでワクチン接種が進んでいくと仮定しています。
このままお盆の時期並みの外出自粛を続けられば、インド型の感染スピードをワクチン接種済みの集団免疫効果が上回り、全国で新型コロナウイルスを抑え込めていくのではないかという予測になっています。
ただし、現在の90万回/日というワクチン接種スピードが落ちないことが条件です。
世界各国とも6〜7割前後で接種される方が伸び悩むという傾向にあります。
日本において、「空気を読め!」という流れでこの7割の壁を超えられるかが、第5波の収束と第6波の再来の有無に大きく関わってきます。
現在、12歳未満にはワクチン接種が認められておりませんので、12歳以上の国民が全員ワクチン接種をしたと仮定して、最大接種率は90%弱になります。
インド型の感染スピードに対して、集団免疫効果を発揮するには80%程度の接種率が必要になるというデータもあります。
12歳未満がワクチン接種しない中で、国民全体の80%程度が摂取しないと集団免疫効果が限定的になってしまう。
これはかなり高い目標になります。
ここからは、国民の雰囲気を作るためにどうするかの個人提案です。
第1回目のワクチン接種率が8割に達した時点で緊急事態宣言を解除する。
という目標を設定したらどうかと思うのです。
1回目を受けた方は、2回目も受けると思いますし、1回目だけでも75%程度の効果は得られるとのことですので、受けていないよりもずっと良い状況になるはずです。
2021年8月24日現在53.6%まで増えてきた第1回目ワクチン接種率が、今の勢いのまま8割まで到達させることができるか。
国全体の雰囲気作りと、国民に対しての『ニンジン』をどうぶら下げるのか。為政者の知恵が問われます。
政府としてもう少し頭をひねってみては?と思うところです。
さて、第5波のPCR検査陽性者に占める死者の割合(致死率)は0.3%程度です。また、第4波に引き続き、第5波もPCR検査で陽性が発覚してから平均約20日後にお亡くなりになる。という結果になっています。
致死率が2.2%程度だった第4波前半と比べて、第4波後半は1.4%程度、第5波は0.3%程度ですので、高齢者から順にワクチン接種していった効果が如実に表れています。
とにかくまずはワクチン接種率を上げること。
そのうえでワクチン接種をしても感染する方もいらっしゃるということですので、一刻も早く特効薬(インフルエンザで言うタミフルやリレンザのようなもの)が開発、仕様承認されることを期待しています。
第5波もPCR検査で陽性が発覚してから、平均的な退院日数は13日です。
一刻も早く第5波が収束して欲しい。
そのためにも、とにかくワクチン接種率の向上を。
以上