とうとうファクターXが消えました。
7月27日からスタートしたファクターX(行動様式▲30%減の絶大な効果)は、10月30日ごろ突然消えました。
もしもファクターXが11月以降も続いていれば、新規PCR陽性者は下記のような予測でしたが、観測値は一気に増えています。

もしも10月30日に突然ファクターXが消えたと仮定し、7月26日以前の状況にまで戻ったと仮定すると予測は下記のとおり、観測値と一致します。

10月30日に前後に何が変わったわけでもありません。
当初は北海道、続いて大阪、名古屋、今週は東京も。突然、ファクターXの効果が消え去りました。
先週の時点では、東京がまだ微増だったので、本当にファクターXは消えたかな?と疑問だったのですが、今週に入り東京でも接触歴等不明者数が1.5倍のスピードで増え始めましたので、とうとうファクターXが消えたと見るべきでしょう。

7月27日~10月29日まで、いろいろな施策がありましたが、結局のところその施策を終了した前後で感染スピードに大きな差はありませんでした。
それよりも北海道の事例のように、知事が『22時以降の飲食店への営業自粛』等を呼びかけることで、そもそもの人の移動が自粛モードに切り替わり、行動様式が縮小するというアナウンス効果のほうが実際には意味があるのだと思います。
ところで今回のファクターXですが、本当に何が因果関係なのかはっきりしません。
梅雨明けし、猛暑日(最高気温35度以上)が各地で観測され始めると発生し、冬日(最低気温0度以下)が各地で観測され始めると消えました。
ただし沖縄でクラスターが頻発しているように、暑い地方だからといって必ずしも感染スピードが大きく落ちるわけでもない。
さて、もしもファクターXが再度救世主のように現れなかった場合、ヨーロッパのように人々の行動に再度制約を設けるしかなくなります。
行動様式はファクターXなかりせば、毎週1.5~1.6倍の勢いでPCR検査陽性者が増えるところまで拡大されています。
そのファクターXが突然消えたわけです。もしも本当に消えたのであれば、みんなでファクターXの効果(行動様式▲30%減の効果)を地道に補わなければなりません。

加えて、少し気がかりな状況として、PCR検査陽性者に占める致死率の上昇傾向があります。
第二波は、東京の若者を中心に蔓延していましたので、PCR検査陽性者のうち死に至る人の割合を1.25%として計算できました。
第一波は、5.0%という結果であったため、検査数の増加による感染者の発見率増加と、医療現場でのノウハウ向上の効果の両方があったと思われます。
しかし、ここにきてPCR陽性者の中の致死率が少し上がってきています。

高齢者への感染拡大と、まだ医療ノウハウが蓄積されていない地方都市での感染拡大、この両方が影響している可能性があります。
そろそろGOTOトラベルは止めた方がいいと思いますが、菅官房長官時代からのお気に入りの施策なので、なかなか止められないでしょうね。
さて最後に、退院される方の予測です。

PCR陽性発見後、平均13日で退院するという設定の第二波よりも、第三波はさらに退院日数が早い傾向です。
(新規感染者の増加により、とにかく早く退院させているのかもしれませんがそれは私には分かりません)
なお、第一波の時は退院まで平均25日かかっていましたので、現場の医療ノウハウは格段に向上していると言えます。
もう神頼みに近いですが、私個人としてはファクターXの再来を切に願っております。
そうでなければ、国民にブレーキをかけ、行動様式を現在よりも▲40%程度抑えるためのアナウンス(ヨーロッパのソフトなロックダウン施策のような)が必要になってしまいます。
以上