また新型コロナウイルスが増えてきました。
第7波に突入したというニュースもありました。
ひたすら続く持久戦。
歴史を紐解けば、だいたい人間はパンデミックに対して6~7年程度で集団免疫を身に着けています。
もう3年目。あと1年で終わるのか、あと3年かかるのか・・・。
「コロナの存在を忘れよう」という肉食系の欧米と、「コロナの存在を注視しよう」という東アジアの価値観が完全に分離していっています。
我々にできることは、客観的に危険性を把握し、その危険性に応じて社会を動かしていくことだと思います。
3回目接種が進んだ第6波では、日本人の各世代致死率は下記のとおりでした。
とうとう、80代の致死率が3%台まで低下し、70代の致死率が1%を切ってきました。
ワクチン接種の効果が明らかに表れています。
季節性インフルエンザの平均致死率と言われる0.01%と比較してみるとこんな感じです。
40代で季節性インフルエンザとだいたい同じリスク、50代では4.5倍のリスクとなっています。
ちなみに80代だと、単純計算すれば361倍のリスク。となります。
各世代が平均的に感染したと仮定した場合の、日本の人口構成における理論的致死率は以下のとおり。
最も理論的致死率が高かった第4波では2.72%でしたが、第6波では0.49%まで低下しました。
理論値で見ると、季節性インフルエンザに対して49倍高いリスク。ということになっています。
ただし、個人的には今回の第6波では統計エラーが発生しているように思います。
過去10年以上、毎月確認している人口動態速報ですが、2022年2月と3月の死者数は今までに見たことの無い異常値を示しました。
毎年、死者数は気温が低くなる1月が最も多くなり、次が12月となります。その次は3月になることが多く、Uの字を描きます。
2021年の青いグラフは典型的な死者数のグラフです。(赤いグラフが2022年)
日数が31日ある1月と12月、3月が多くなり、28日しかない2月はやや減るように統計上は出てきます。うるう年はこの傾向がやや変化し、2月と3月が同程度となります。
高齢化が進む日本では、毎年少しずつグラフが上ズレします。月に3~5千人程度は高齢化影響で昨年度よりも増加する傾向があります。
しかし、第6波が猛威を振るった今年の2月、3月は対前年で2万人前後死者数が増え、1月とほぼ変わらない水準でした。
こんなグラフは、過去10年以上で見たことがありません。
この2ヶ月間の新型コロナウイルスでの死者数は約9千人と発表されていますが、超過死亡4万人のうち、高齢化影響が1万人(5千人×2ヶ月)、新型コロナでの死者9千人と考えても、2万1千人ほど超過して亡くなっています。
今まで日本において統計上把握できていない新型コロナによる超過死亡はほとんど無い、というのが統計を眺めていた自分の考えだったのですが、今年2月と3月は初めて『把握できていない新型コロナウイルスでの死者がかなりの規模でいそうだ』と考えるようになりました。
これらの影響が、先ほどの理論的致死率に加わると、実態はもう少し悪かったのではないかと思います。
さて、これから第7波を迎えます。
世界一高齢化が進んでいる日本において、どのような国家運営をするかが問われます。
40代以下にとっては季節性インフルエンザ以下のリスクですので、経済を回し、自分の夢と希望、10代20代でしか作れない思い出づくり、所得の安定を求めたいところです。
団塊世代にとっては、『安心の老後』を維持するために、感染症対策を優先して欲しいという思いがあるはずです。なにせ、後期高齢者にとっては季節性インフルエンザの100倍以上のリスクがありますから。
若い有権者が多い国家と、高齢の有権者が多い国家というだけでも、民主主義で選ぶ政策の方向性は大きく異なるはずです。
みなさん参議院選挙の投票に行きましょう。
以上