ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

439.本当はロケットを飛ばしたかったはずのに…

今回は、今週末読んだ本の紹介です。

 

表題はとあるSNSのプログラマーの言葉で、「本当はロケットを飛ばしたかったはずのに、大学で勉強して、今やっている仕事は、広告のバナーを如何にクリックさせるウェブデザインをつくるか…。」

 

一昔前は、こういった話は「SNS」ではなく「金融」だったので、時代と業界の栄枯盛衰を感じます。

 

子供のころの夢、それは実質的な達成感のある夢、それを就職する過程において「年俸」という基準に流されて、どんどんヴァーチャル的な達成感の得られにくい、給与だけはたっぷりともらえる業界に迷い込んでいく。

 

ふと気づくと、「自分はこんなことがやりたくて、大学まで機械工学を勉強していたんだっけ?」みたいな悩み。

 

「まあ、毎年20万ドルをもらって、そこそこの暮らしが出来ているから、間違っていなかったとは思うのだけど・・・」と今の自分を励ます。

 

『夢』と『現実における妥協』の葛藤。

 

 

 

本日紹介する本は紛れもなく、夢に生きた人のもの。

 

 

 

アフガニスタンにライ病患者の地域医療体制を構築し、飲料用の井戸掘り、最後は農業用水路の建設まで。

 

そして、地元グループの銃撃により亡くなる。

 

この本に出てくる、地元との関係作り、用水路建設に関わる地権者や地元グループ、行政との関係は、さらった数行で描かれているものだが、日本で同じような調整を行っている自分には、その部分だけで数冊は本が書けるだろうな・・・と想像できるほど困難を極める作業だったと思う。

 

なんて言ってもそこはパキスタンアフガニスタンの辺境の地。

 

勝手知ったる日本、最後は和を以て貴しとなす、がなんとなく通じる日本であってさえ、これだけ大変なのだから、異国の地でよくぞここまでの大事業を成し遂げられたものだと心の底から思う。

 

この本に書いてある水路構造は、基礎土木の技術そのもの。

 

私が大学で習ったことばかり。

 

たったこれだけの技術で砂漠を一面の麦畑に変えられる。

 

そこに鬼神的な勇気と情熱と利他の精神があれば・・・。

 

 

 

研究室でサウジアラビアの植林に関するシミュレーションを回していた時、まさにやりたかったのはこういうことではなかったのか?

 

現地の情勢が悪化し、ジッダの現地視察が中止となった時、私は現地に行かなくて済むことに安堵したが、著者はその時もアフガニスタンに残っている。尋常な精神じゃない。

 

やはり私にはこんな大仕事は出来ない・・・。せいぜい日本のインフラ改修が精一杯。

 

 

 

この本を読んでいても思いましたが、やなせたかしさんの「正義」の定義は揺るぎえないのではないかと思います。

 

あんぱんまん。

 

『正義』は理念、立場によって、まったく異なるのだけれども、そこに喉が渇き、飢えで苦しんでいる人がいて、その人に水と食料を分け与える行為。これだけは誰に対しても、地球のどの場所でも『正義』と言える。

 

だからアンパンマンはいつも食べ物を配って回る。

 

アンパンマンのマーチ。これも歌詞が深いんだよなぁ。

 

アンパンマンマーチ歌詞 - Google 検索

 

本書を読みながらずっと頭の中でぐるぐるしていました。

 

以上