ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

760.男社会と女社会

「働いて、働いて、働いて・・・」というキーフレーズが印象的な選挙でした。

 

 

 

これを聞いて、『男社会』と『女社会』という、この頃私が研究しているテーマを思いました。

 

 

 

ジャレド・ダイヤモンド氏の著書などで、人間の原始的な暮らしを見ると、明らかに『男社会』と『女社会』に分かれます。

 

 

 

『男社会』とは、通常時であれば3~4日は当たり前で外泊し、イノシシなどの大型動物を狩りに行くチーム体制。そのチームは、他の部族との抗争の際は戦闘員となる社会。

 

『女社会』とは、拠点・集落を中心として、その周辺の植物・穀物・木の実等の採取(以下、「穀物採取」という)を行う日帰り外出組と、穀物採取に行かずに、拠点エリアでの食事作り担当、他の女性の子供も含めて子供たちの授乳・幼児保育の担当に分業され、産前産後の休息も取れる体制を組んでいる社会。

 

 

 

『男社会』のチームが大型動物を仕留めた場合、部族は大喜びとなるが、冷蔵技術、保存技術がないため、一度に大量カロリーを摂取し、体内に蓄えるほかない。

 

どちらの社会の方がより部族が必要とするカロリーを多く採取できていたか計算すると、コツコツと拠点周辺での穀物採取を行っている『女社会』の方が多かった。とのこと。

 

さらに木の実(日本でいえば、栗、どんぐり、とちの実、他)や穀物は保存も効く。

 

どう考えたって、『女社会』の方が生きていくための労働として効率が良く、安定的なカロリー摂取ができ、長生きできそう。

 

ただし、『女社会』だけでは、他の部族の『男社会』に攻められたときに対抗できず、『女社会』は『男社会』に従属させられることになる。

 

 

 

 

さて、これを現代の社会の中でとらえるとこうなります。

 

 

 

『男社会』とは、昭和の日本企業の働き方であり、現代のアメリカのユニコーン(テスラとか、スペースエックスとか)、中国の企業(996工作制:朝9時から夜9時まで週6日働く)になります。

 

通勤時間が1時間以上かかるのは当たり前、土日出勤当たり前、深夜残業当たり前、プロジェクトが佳境を迎えたら事務所に泊まり込み当たり前。

 

こんな『ブラック』な働き方が、『男社会』の特徴になります。

 

「独身のみ採用」などと謳って採用する『winner takes all』の世界で戦っているTeck企業たちが、『現代の男社会』の典型的企業と言えます。

 

また、一般的な企業でも、週5日出社を義務付け、家から遠く離れた就業場所(オフィスや工場)に呼び寄せ、年休はなかなかとりにくい。こんな働き方は『男社会』と言えます。

 

 

 

現代の『女社会』の典型例は、3世代同居や親戚近接の『農家』『自営業(個人オーナーの飲食店、商店街の個人商店、カフェやワークショップ、小規模クラフト、ファミリービジネス、他)』となります。

 

生活空間の周りに自分の裁量でコツコツ働くことのできる場所があり、生きていくために必要なお金(昔ならカロリー)を稼ぐ(採取する)ことができるビジネスモデルです。

 

また、都市部では壊滅的ですが『女社会』では、子供を他の親に預けることができる人間関係が成立しており、『社会(関係)資本』が成立している社会です。

 

家(昔でいえば部族)の食事を作ってくれる人、子供の面倒を見てくれる人、家の周りで仕事(昔でいえば穀物採取)をしてくる人、これらが一体となって人間関係の中で分業ができる。交代もできる。産前産後の休息期間は、周りがサポートできる体制が常時整っている。

 

こんな世界です。

 

 

 

 

さて、それではどちらの社会の方が、生活の安定性、家事育児の負担軽減が可能でしょうか。

 

現代でも圧倒的に『女社会』の方です。

 

しかし、女社会側の『商店街の個人商店』は、近くに男社会側の『イオン』『まいばすけっと』『セブンイレブン』などができた時に生き残れるでしょうか。

 

女社会側の『個人経営のカフェ』は、男社会側の『スターバックス』が近くに出店されたら生き残れるでしょうか。

 

女社会側の『農家』と、男社会側の『農協』。どちらの方が力関係が強いでしょうか。

 

 

 

現代でも圧倒的に『今この瞬間、対峙すれば男社会が勝つ』という構図は残ります。

 

 

 

ただ、当たり前ですが社会として持続可能なのは『女社会』の方です。

 

『男社会』に属するということは、昔でいえば3~4日集落を空けて狩りに出かけ、ワンチームとなって『狩ってくる』ことを求められています。

 

『家』のことよりも、『チーム』のことが最優先という社会です。

 

これでは家事育児はまわせません。

 

 

 

日本は、年金や社会保険などの社会保障を整え、子供たちを親から引き離し、その時々の生産性の高いエリア(昭和は太平洋ベルトの工業地帯、平成は3大都市圏、令和は東京一極集中)に人を移してきました。

 

日本は若者が地元を離れ、核家族を形成するように社会を誘導してきました。

 

 

 

戦後はひたすら『男社会』への誘導を行ってきた。と言えます。

 

男女雇用機会均等法』は女性の働き方を『男社会』の中で実現できるようにした法案。と言っても過言ではないです。

 

その結果として、みんなが『狩猟民族』になり、拠点・集落を守る人間は不在。

 

そして、少子化が進みました。

 

 

 

本来、我々が実現すべき社会は『女社会』に男性が雇用機会均等していくことだと思っています。

 

 

 

もしカップルが子供をもうける場合、女性は、生物的特徴上、妊娠出産を担わなければなりません。

 

『男社会』を社会基盤にしていると、その中で活躍しようとする女性はどうしても『欠員期間のある戦闘員』というレッテルを貼られやすくなります。

 

雇用機会均等法の下でも、大企業の中で出世していく女性は『独身』か『DINKS』が多くなるのはこのレッテルのせい。

 

多産の女性は『男社会』の中では『欠員期間が頻繁にくる、使いにくい戦闘員』という扱いになりやすい。

 

こういう社会意識のベース(空気)をつくってしまっては、合計特殊出生率が1前後になってしまう少子社会になって当たり前。

 

社会・文化を継承できる次世代の再生産を放棄し、『今』の生産性のみに没頭する社会は、『対峙したときには勝利』『長期的に見れば敗北』という道をたどる。

 

 

 

世の中を『男社会』で回し、かつ、真の男女の公平性をめざすのは、フランスなどで試みられている『人口胎盤』でしょう。

 

現在、受精15週くらいまでの試験菅培養と、22週目以降の早産対応はできるようになっていおり、この間を母体ではなく、『人口胎盤』の中でつなぐことができるようになれば、女性のハンデキャップはなくせる。

 

という試みです。

 

妊娠、出産、授乳(妊娠しないので母乳は出ない)の生物的負担がなくなり、子供をもうけたいカップルは男女が完全に平等の中で哺乳瓶で子育てをしていく。

 

さらにそれさえもロボティクスで解決し、親は外で自由に働き、自由に生きられるようにしよう。と。

 

もうこうなると、ハクスリーの『すばらしい新世界』の要素満載だと思ってしまうのですが、そんな『男社会』における男女の公平性を満たした将来も描かれてはいます。

 

 

 

 

もう一方が、今の日本や欧州がめざしているのが、『男社会』を少しずつ『女社会』に近づけていこう。という試みだと思っています。

 

在宅勤務OK、フレックス勤務OK、年間就業時間は1800時間以下。男性は必ず育児休暇をとる。女性社員の産休育休期間を、年功序列の『就業期間』の欠落期間としない。こういった社会づくりです。

 

しかし、何度も言うように、『今対峙すれば勝つのは男社会』です。

 

日本企業がこの働き方を徹底すると『トヨタ』は『BYD(中国)』や『テスラ(米国)』

に勝てなくなります。

 

パナソニック』は『サムスン(韓国)』や『鴻海精密工業(台湾)』が先に行き、負け組。

 

人工知能分野では長年に渡り民間企業の世界トップランナーだった『NTT』や『富士通』は、『オープンAI(米国)』や『Google(米国)』、『ディープシーク(中国)』にこの10年で一瞬で置いていかれました。

 

 

 

合計特殊出生率が1を下回る台湾、シンガポール、中国、韓国といった『男社会』の武装集団には今の日本のやり方では勝てない。

 

でも昭和平成の『男社会』のままでは出生率が1.15と過去最低の日本に未来はない。

 

当然、合計特殊出生率が1を切っている東アジア諸国は日本以上に未来がない。

 

 

 

どうすりゃいいんだ!というわけです。

 

 

 

アメリカやドイツは、『男社会』と『移民受け入れによる人口維持』という解を見出しています。

 

その結果として、『格差拡大』『社会分断』という弊害を招いています。

 

韓国も『男社会』と『移民受け入れによる人口維持』に舵を切り始めている。

 

『男社会』を維持し、世界の中で『勝ち抜きたい』『働いて、働いて、働いて・・・』をめざすのであれば、アメリカ、ドイツ、韓国の道が正解。

 

ちなみに日本は現在、総人口に占める移民の割合が2.7%。まだまだ低い。

アメリカ:約14%、ドイツ:約27%、韓国:5.2%)

 

 

 

もしも、『日本人ファースト』『外国人は排除』という日本人に閉じた社会を実現したいのであれば、『女社会』をめざすのが正解。

 

最も男性的な『排外思想』の答えが、『女社会』の実現である。というこの滑稽さ。

 

 

 

個人的には、フランスが思考実験しているハクスリーの『すばらしい新世界』の未来も、人口が完全シュリンクして日本の社会・文化が失われる未来も嫌なので、『負けるが勝ち』で、今の負けを受け入れて、生活満足度の高くなる『女社会』の実現をめざしたい。

 

 

 

昭和は、『男社会』と『女社会』が分業成立していたかのように思うかもしれないが、『女社会』は核家族化の中で親戚などの社会(関係)資本が分断され、母親という存在にとって、非常に負担が重く、不満が溜まる環境だった。

 

昭和は、『女社会』が成立していなかった。

 

平成は、社会を『男社会』に染め上げてきた。育児も『保育園』による分業ができると信じた。でも、保育園が終わった後の家庭サービスは誰が担うの?

 

令和は、『男社会』を『女社会』に少しでも寄せていこうという取り組みになっている。

 

 

 

その結果、令和の社会実験が東アジアや米国の『男社会』に従属するだけで終わるのか、国民の満足度が高まり、合計特殊出生率が反転し、持続可能な社会を取り戻していけるのか。それはまだ見えない。

 

今後、もう少し社会データの分析を進めていきたい。

 

 

 

さて、『働いて、働いて、働いて・・・』と『男社会』の実現をめざす総理に、『移民積極受け入れ』という選択肢はあるか。