高齢者の介護・看護施設の職員が足りません。
一方で、介護・看護・保育・宿泊施設(ホテル)などの人に寄り添ったサービスを得意とする人材の需要は増えつづけています。
先に挙げた中で、最も民営化されており、補助金が入っておらず、値段を自分で決められる業界は宿泊施設(ホテル)です。
この業界の、特にラグジュアリーホテル(一泊5万円以上)、アッパーアップスケールホテル(一泊4〜5万円)と言った高級ホテルには、多くのサービススタッフを必要とします。
注意:平均価格の話なので、皆さんが目にされるような週末、連休の価格はこの値段の倍近くになります
現在のインバウンド需要やような景気が良いときは、出せる給料も断トツでよくなります。
若者がこの業界をめざすのは、当然と言えば当然。
一方、完全な補助金ビジネスで、売り上げの単価も国や自治体から決められている介護・看護・保育分野では、職員に支払える給料にも限りがあります。
ホテル業界のように景気の波は殆どありませんが、給料のアッパーも見えている。
生産年齢人口が減り、新しく社会に出てくる新卒者が110万人前後になろうとしている今日。介護施設の需要は2040年頃まで増え続けますが、それを支える人材は減る一方です。
ましてや、給料に限りが見えているともなれば、若者はなかなか応募しない。つまり採用できない。
そんな中、アラフォーの我々ミレニアル世代がお世話になるだろう2060年頃の介護施設の状況はどうなっているでしょうか⋯。
日本の人口は約8,000万人になり、約2,300万人の後期高齢者を約3,600万人の生産年齢人口が支えることになります。
(出生率1.35の政府予測から近年の出生率低下を織り込んで補正)
この数字から見た将来を考えてみましょう。
将来自分達ミレニアル世代が介護サービスを受けるときにはたぶんこうなる。
シナリオ1:MJGA(日本がもう一度豊かな国になれた場合)
1ドル50円程度の円高となるような未来があった場合、日本には世界から労働者が集まるので、介護サービスも現在のレベルで受けることが出来るでしょう。
一般の所得の方が、人のサービスによるケアを受けられる環境がそこにはあるはずです。
移民に開かれた国、日本がそこにはあり、日本に住む人の2〜3割は外国籍の人材になります。
シナリオ2:ドラえもん( AI ✕ ロボティクス が進んでいた場合)
AI ✕ ロボティクス の技術が進化し、現在のスマホのように、1人に1機のバディAIロボが持てるようになった場合。
みんなにそれぞれの個性にパラメーター調整されているロボットがついてくれるようになります。
話し相手も、家事も、散歩付き添いも、入浴介助も、その他の介護サービスもバディAIロボットが寄り添ってくれます。
シナリオ3:家文化の再来(民間市場のサービスが成立しなくなり、家族サービスに戻る世界)
若者が減り、超お金持ちのみが介護サービスを受けられる世界。
99%の我々世代は、資本主義経済が提供するラグジュアリーな介護サービスは受けられない。
一方で、公共サービスは補助金不足から若者を雇用することができず崩壊状態。
最後に頼るは血筋(子供や孫)のみ。という、過去から続く人間の営みに戻る世界。
子供がいなければ。もしくは子供がいたとしても子供に介護をしてくれる気がなければ、自分は自分ができることの限りで生き、死ぬしかない。
①は考えづらいので、ミレニアル世代の将来は②と③のミックスになるとは思いますが、その時に昔と異なるのは子供を持たない高齢者が全体の三分の一を占めること。
そんな時に人間の社会はどうなるのか。
人間は今まで経験したことがない。
やはり、早急に『ドラえもん(バディAIロボット)』を作る必要性を感じます。