昨日、2022年の合計特殊出生率が発表されました。
合計特殊出生率1.26。
2005年の過去最低と並ぶ。
と、書面では出ています。
ちょっと違います。
2005年は1.2600。
2022年は1.2565。切り上げて1.26。
2022年は過去最低の合計特殊出生率となってしまったわけです。
今年1~3月の日本国内で生まれた子供の数は、2022年に比べて速報ベースで約1万人減っています。
2023年は2022年の最低ラインをさらに割り込むことが想定されます。
さて、合計特殊出生率の内訳をみてみます。
2021年の合計特殊出生率は1.3028。切り捨てて1.30。
2022年は1.2565ですから、0.0463も下がってしまいました。
これ結構衝撃的な下がり方なんですよね。
グラフもきつい右肩下がり。
それでは、年齢別に主たる3階級(25~29、30~34、35~39)で見てみます。
若い年齢の出生率は2020年から顕著に右肩下がりです。
新型コロナの蔓延により、若い世代の出会いの場が減ったのが最大の原因と思われます。
下記リンクからご覧になるとわかると思いますが、2020年、2021年の婚姻数が激減しております。
これが2022年の出生数の減少を招くわけですが、問題なのは海外と異なり、2022年も2021年とほぼ同等、2023年1月~3月の婚姻数は2022年同期間よりも減ってしまっています。
婚姻率や離婚率の移り変わりの実情をさぐる(2022年公開版)(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース
お隣韓国でさえ、結婚件数はV字回復を見せているのですが、日本はコロナ期間に失った結婚機会を取り戻すのが遅れています。
若者の出会いの場を増やしてあげること。手っ取り早く言えば、飲み会をドンドン開いて、どこへでも旅行に行って良い雰囲気を作ることが大切になっています。
そういう意味では、飲食店支援で行われていたGo To Eatキャンペーンや、全国旅行支援キャンペーンは、若者の婚活支援にもなっていたとは思います。
さて次に、日本の一番出生率が高い年齢階層(30~34歳)を見てみます。
こちらは2018年まで0.5を超える水準に伸びていたわけですが、2022年は0.47。
25~29歳世代ほどではないですが、コロナの影響が見て取れます。
次に35~39歳世代。
こちらは右肩上がりが続いていましたが、コロナ期間中にフラットになってしまいました。
不妊治療を行うと、母体の免疫力低下を伴う治療もあるため、そういったことも影響しているのかもしれません。
さて、これらを母親のコーホートで見てみるとこうなります。
コーホート出生率で見てみると、合計特殊出生率ほど大きな変動はしていません。
現在40歳前後の我々世代は、少し持ち直して既に1.50。
これまでの状況としては、合計特殊出生率が1.5を下回る毎年の発表は、ほぼ晩婚化による晩産化で説明がつきます。
ただ、新型コロナ蔓延が結婚適齢期と重なった現在の30歳前後の世代は、かなり苦しい状況となっており、このまま放置してしまうと、コーホート出生率が1.3台まで急落してしまうという状況です。
これを底上げするためにも、早急な「異次元の少子化対策」が必要であり、何よりも若者が結婚できる環境づくりが大切です。
新型コロナで不安定となったサービス業を早期に安定させ、出会いの場を気軽に利用できる社会の雰囲気を取り戻し、子育て支援だけでなく、結婚式費用などにも補助金を入れて、若者の失われた時間を取り戻す支援をする。
新型コロナで3年も高齢者を守るために若者は頑張って耐えた。
ワクチン接種が行き渡った今、今度はガマンしてくれた若者に対する支援を頑張るべきではないかと。
doubleincome-triplekids.hatenablog.com
以上