先日死去されたゴルバチョフ大統領ですが、生前も含めて評価は様々です。
西側諸国には大変ウケがいいです。ノーベル平和賞も受賞しています。
『地球上を二つのイデオロギーで分断し、核弾頭を付き合わせている状況』は『狂気に満ちている』という価値観を、西側と共有できた人物であることは間違いないと思います。
その点で、世界的な平和を求めた人物であり、ノーベル平和賞にはノミネートされるべき人財であったことは間違いないと思います。
西側から見れば・・・。
東側、特にロシア共和国から見るとまったく別の見え方になると思います。
世界の2強として君臨していたソ連を解体した人物。
1990年代のロシアにとって負の時代を招いた人物。
西側に屈した最弱のリーダー・・・。
こう映るはずです。
なんて言っても、あのスターリンでさえヒトラーに屈しなかった偉大なリーダーとして再評価しようとする歴史修正の動き(?)がある現在のロシア共和国ですから、ソ連(ロシア帝国?)を解体した弱きリーダーを評価するわけがありません。
ただ、腑に落ちないこともある。
ソ連を解体したのは、ゴルバチョフではなく、ロシア共和国のリーダーであったエリツィン。
ゴルバチョフの頭の中には『ソ連を解体する』という思想は無かったはず。
エリツィンが、ベラルーシとウクライナと一緒に「ソ連の指示に従うことはやめる!」と宣言したから、ソ連はあっという間に瓦解した。
そのエリツィンを支持していたのはロシア国民・・・。
ちなみに、秘密のベールこそ共産主義国の強みだったはずなので、ゴルバチョフが進めたグラスノスチ(情報公開)は、ソ連が張りぼてであることを明るみにしてしまった。
それが、ソ連への各共和国の反抗を招いた(ソ連という組織が舐められた)ことは間違いないと思いますが・・・。
冥福をお祈りいたします。
以上