ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

094.新型コロナウイルスの状況について(20) ~ファクターXは今週も健在~

ファクターXの存在について、先週は『行動指数を30%下げる効果が現れている』と記載しましたが、祝日(山の日)の検査数減少影響を過大評価していた模様で、今週の結果としては『行動指数を28%下げる効果が現れている』という表現に訂正させていただきます。

 

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行動自粛率推移




8月21日の政府の分科会で『7月27日~29日が第2波の感染ピークだった』という発言がありましたので、2週間前にレポートした逆解析の結果は、正しかった模様です。


085.コロナウイルスの状況について(18) ~ 謎 モデルで拾えていない現象は何だろう? ~ - ダブルインカム トリプルキッズ blog

 

それにしても、いきなり現れたこのファクターXは何者なのでしょうか。

 

2週間前のレポートでは、課題の1つとして、うまく観測できていない可能性を挙げました。

 

東京都のPCR検査人数は、1日最大約5000人のようで、ここ3週間頭打ちです。

 

東京都のPCR検査件数

モニタリング項目(4)参照

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

もしも、市中感染が広がってきているのに、PCR検査人数が上限に達したために、PCR陽性者が増えないのだと仮定すると、①PCR検査陽性率が上昇する、②接触歴等不明者数が増加する、この2つの事象が発生します。

 

今現在の結論としては、東京都のPCR検査陽性率は8月2日と8月4日の7.0%をピークに、直近の8月23日には5.0%まで低下していますし、グラフのように接触歴等不明者数も減少していますので、PCR検査人数が上限に達したことによるPCR陽性者観測値への影響は限定的な模様です。

 

 

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東京都接触歴等不明者数(東京都発表の全期間)

 

 

以上の検証の結果、やはりモデルが実際の現象を拾えていない訳です。

 

今後のどの行動様式の拡大によってファクターXが消失するのか、それを知りたい。

 

今後の主な行動様式拡大スケジュール

 

8月20日 大阪ミナミ地区の営業時間短縮要請(20時まで)解除(8月6日~)

 

8月24日 東京都の小中高校の2学期が再開(8月1日~)

      愛知県の緊急事態宣言解除(8月6日~)

 

 

8月31日 東京都の飲食店営業時間短縮(22時まで)要請解除(8月3日~)

 

※ 政府の7割在宅勤務要請は一応継続中(7月27日~)

 

 

 

あまりにもごちゃまぜ・・・

 

せめてもう少し段階的に10日間くらいずつずらして行動様式を拡大出来れば、どの施策がどれくらい効いていたかが分かるのですが、其々の施策の解除時期が近すぎて、もしファクターXが消失したとしても、どの施策が最も効果があったのか検証が難しい状況です。

 

ただ、いくつかの現象は少なくとも検討できそうです。

 

・9月第1週に、東京都の新規PCR陽性者が減らなくなった場合、小中高校での感染経路がファクターXであった可能性が高い

 

・9月第2週に、東京都の新規PCR陽性者が減らなくなった場合、22時以降の飲食を伴う店での感染経路がファクターXであった可能性が高い

 

・9月3週目以降も東京都の新規PCR陽性者が減少し続けた場合、政府の7割在宅勤務要請がファクターXであった可能性が高い(感染経路は大企業のオフィス内と満員電車)

 

政府の7割勤務要請は、企業が自主的に応えるものなので、飲食店等の再開に合わせて企業の方も在宅勤務を緩める可能性が高いので、8月末くらいに再度政府から『7割在宅勤務の要請』などが発せられると、主な感染経路が『学校』だったのか『飲食店』だったのか、『大企業のオフィス内』だったのかがより明確に検証できるんですけどね・・・。

 

 

 

以下、今週の予測値です。直近の行動指数と、ファクターX(謎の▲28%相当の行動指数減)が続くと仮定して計算しています。

 

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新規PCR陽性者予測(7月26日モデル:7月27日の週よりファクターX込み)

 

 

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新規死亡人数(7月26日:7月27日の週よりファクターXを加算)

 

 

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新規退院患者数(7月26日:7月27日の週よりファクターXを加算)

 

 

さて、今週政府の分科会では、『高齢者の致死率が第1波と第2波でほぼ変化していない』との見解が示されました。

 

第2波になり、パラメーター上は市中感染致死率を下げているのですが(1.0%⇒0.4%)、これは第1波と比較して、高齢者がウイルスに感染しない最大限の努力を、個人として、社会として、実施されている結果だということが分かりました。

 

医療体制のノウハウ向上、対応薬の導入による致死率低下の傾向は、それほど現れていない模様です。

 

つまり、新型コロナウイルスは未だに危険度が低下していないことになります。

 

致死率の高い高齢者と、ほとんど重篤化しない若者。

 

世代間の条件格差が大きすぎて、国の運営が難しいところですね。

 

経済を優先するなら、高齢者を見捨てるというアメリカやブラジル的判断になりますが、儒教精神を色濃く受け継ぐ東アジアでは、そういう判断にならないと思います。

 

以上