ダブルインカム トリプルキッズ blog

夫婦共働きの子育てを実践しながら、パパ育児の苦労と楽しさをご紹介します。

081.コロナウイルスの状況について(17) ~ GOTOトラブルキャンペーン ~ 

まず、本ブログでモデルを用いて予測した1か月後の状況について、中間報告します。

 

前回のブログ、7月12日時点で予測した感染者等の予測値についてその後の推移を追いたいと思います。(直近の週の行動様式が継続された場合)

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

①東京都の必要病床数は8月10日前後に2500床を超え、東京都としては緊急事態宣言に類する処置を検討しなければならなくなる。

 

 8月 2日時点:1,315床

(7月12日時点:  580床)

 

 

②8月上旬には全国の新規PCR陽性者数7日中央移動平均が3000人を超える。

 

 7月30日時点:1,227人

(7月 9日時点:  310人)

※モデルを後方移動平均ではなく、中央移動平均で作ってしまっているため、3日遅れます

 

 

 

②の全国のPCR陽性者数の予測については、予測を出した7月12日以降、下記グラフのとおり行動様式がほんのわずかながら抑制される傾向にあり、今のモデル予測では8月13日に3000人を超える予測になっています。(到来時期の後ろズレ)

 

f:id:rudolf1981:20200802221309p:plain

行動自粛率推移



 

 

それに対して、①東京都の必要病床数がここ2週間、予測計算よりも低位で推移しています。

 

退院が非常に速いことが要因としてあげられます。これは喜ばしい限りです。

 

 

 

今週のモデル予測状況は下記のとおりです。新規PCR陽性者のモデル予測は、先週第2波にフィッティングしましたが、だいぶ良い精度です。

 

新規PCR陽性者のモデル予測結果

f:id:rudolf1981:20200803054846p:plain

新規PCR陽性者予測(7月26日モデル予測とその後の実績)

 

 

新規死亡人数のモデル予測結果

f:id:rudolf1981:20200803055031p:plain

新規死亡人数(7月26日モデルの予測とその後の実績)

 

 

新規退院患者数のモデル予測結果

f:id:rudolf1981:20200803055139p:plain

新規退院患者数(7月26日モデルの予測とその後の実績)

 

 

 

 

さて私が政治家だった場合、ここからの政治判断は非常に難しいです。

(本当にもし私が政治家だったならば、6月の時点で行動規制をここまで緩和せず、第2波を押さえ込もうと努力したと思いますが、経済も苦しくなっていたでしょう・・・)

 

doubleincome-triplekids.hatenablog.com

 

 

 

仮にこのまま事態を放置すれば、感染爆発を招くことは火を見るよりも明らかです。

 

しかし、退院時期が早く、死亡率が下がっていることは今のところ見て取れますし、病床数のリソースはまだ足りているように見えます。

 

感染者数だけではなく、死亡者数までが増加しはじめ、国民が『どうにかしろ!』と、声を上げるまではこれを放置する。経済優先の政治判断(というか『判断しない』という判断)をした方が、国民の次回の投票獲得に繋がりそうな気もします。

ドナルド・トランプの戦略

 

 

 

ただし、いくら病床数が足りていても、負担が増大している医者、看護師、もっと言えば介護施設のスタッフ、みんな人間です。

 

今のまま突き進むと、『日本経済のためにお前たちが犠牲になってくれ』と言われていることに等しいので、仕事に対する使命感が低い私なら『もう辞めます』『時期を見て復職します(いずれも人財の流動性は高い業界)』と言ってしまいますね。

 

自分の命がリスクに晒される現場への突入(業務命令)を拒否できないのは公務員だけです。警察、消防、自衛隊の方々にその責務を担われていますが、民間人でそういったリスクのある仕事(業務命令)を拒否できない業界はありません。

 

個人の判断で、会社を辞めればいいだけです。

 

いつまでも一部の組織の使命感に頼り切った国の運営では、絶対にうまくいきません。

 

 

 

 

さて日本はこの先、どの方向に舵を切るのでしょうか

 

政府が考えている方向性は、下記の方向ではないかと思います。

 

①病床数にはまだ余裕があるので、もう少し毎日の新規PCR陽性者数が増えても大丈夫

 

②病床数に余裕があるうちに、どこまでブレーキを踏めば実行再生産数を1.0に出来るか、段階的に規制を強めていきたい

 

③緊急事態宣言だけは、二度と出したくない

(経済的に打撃が大きく、対外的にも、国民に対しても、『第2波対策が完全に失敗した』という印象を与えるため)

 

 

 

私のモデル上では、政府が考えている『実効再生産数1.0に到達するための行動規制』は認識が甘すぎるので、8月末には結局『③緊急事態宣言』になるように思います。

 

その場合、かなり長く、辛い、行動制約期間がやってきます。経済に対しても最後の一撃になる可能性があります。

 

このモデルはかなり予測精度がいいので、実効再生産数1.0をめざすための規制枠組み作りだったら、コンサル受託できるんだけどなぁ・・・。

 

 

 

少しずつ規制を強めていく対応は、メリハリがなく、国民からは何が前週から変わったのかが見えづらく、行動様式が思ったように下がっていかない傾向にあります。

 

たとえば、先週7月26日に政府から『経済界は7割在宅勤務を徹底してほしい』という要請が出ましたが、今週の自粛率は2週前と変わりませんでした(先週は4連休の影響が効いています)。

(前出の行動自粛率推移グラフをご覧ください)

 

人は慣れてしまうものです。

 

ましてや、GOTOトラベルキャンペーンの推進と、ブレーキ(7割在宅勤務)がセットでは、国民が『我々には何を求められているんだ?』と大混乱してます。

 

『アベノマスク』ではないですが、『GOTOトラブルキャンペーン』だったような気がします。

 

以上