「東京が諸悪の根源」
兵庫県知事の言葉として有名になりましたが、実際問題として客観的に事態を分析すればそのとおりです。
言い回しは良くないと思いますが、端的にこの1ヶ月の第2波再来現象を表現しています。
054.どうして政府はこういう判断になるんだろうか?
に詳しくは記載しましたが、事実はどう見たって『東京でウイルス濃度を高め、東京から地方都市へばら撒く』という構造になっています。
言葉尻を捕えてワイドショーで面白おかしく扱うより、事実を捉えてどう対処するかを考えることが求められます。
さて、前回7月12日の東京都の感染者数7日平均は144人とモデル予測しましたが、これも2週連続で大きく外れて、実際は166人。10%以上、モデルよりも上に出ました...。
新宿区や豊島区の一斉検査の影響もあると思いますが、ここ2週間の東京都における感染者数増加は、かなり加速しています。
下図は、以前からずっと私が追っている東京都の接触歴等不明者数のグラフ(先週から東京都のHPでも掲載されるようになりましたので、個人で作成してわざわざブログに載せる価値は半減してしまいました・・・)。
もう、4月5日の水準まで市内感染状況は悪化しています。
政府や、都知事が「集団検査が入っているので」というようなコメントで覆い隠そうとしても、この数字が東京都の実態を表してしまっています。
7月10日から政府は5000人までの観客を入れたイベントを再開させました。
これは、さらに感染者増加にアクセルを踏む行為です。
政府は「現在若者が中心なので医療体制もひっ迫していない」と言っています。
これは事実です。
それでは7月22日以降、GOTOキャンペーンを行ったらどうなるか。
考えてみてください。
東京から「半額キャンペーン」を利用した若者が、地方都市に飛び出て行きます。
地方都市側は、高齢者を含むスタッフが、この若者たちを『おもてなし』します。
地方都市側では、若者ではなく、全世代がウイルス感染のリスクに晒されます。
『東京都よりも脆弱な医療体制』に、『高齢者の感染』という、かなり厳しい状況が発生することが目に見えています。
どれだけ愚かであっても、この時点からGOTOキャンペーンを強行することだけはやめた方がいい。
政府は、直近で対応する気が無さそうですので、新規感染者モデル予測のグラフ縦軸を一気に2000人/日まで増やしました。
第一波がかわいいピークになりましたねぇ。
今のところ、第二波は若者中心に感染していますので、新規死亡者は増加していません。
第二波の新規感染者は2~3週間で退院できる傾向にあります(第一波は4週間前後)
最後に、このままいくと東京都が病床ひっ迫により追い込まれる時期(緊急処置をとる時期)は、8月10日前後(必要病床が2500床を越えてくる)です。
また8月上旬には、今週の行動様式(GOTOキャンペーン、5000人イベント前)が継続すると、毎日の新規感染者は全国で3000人程度(モデル予測では)になってきます。
GOTOキャンペーンをもし延期せずに実施を強行すれば、東京よりも先に地方都市の方で、医療ひっ迫状況が生まれてしまうように思います。
もう一度だけ。GOTOキャンペーンだけはやめておけ。
以上