在宅勤務システムと、在宅勤務でも会社のシステムにログインせずに働けるチャットワーク等のコミュニケーションシステムが整備されたおかげで、いつでもどこでも働けるようになりました。
特に会社システムにログインせずに作業ができる環境が広がり、個人的には大変便利になりました。
ただし、会社としては問題が山積みです。
今までは、労働監督側も基本はPCの社内システムログ、拡張してオフィス出入口のカードキーログくらいまでしか、労働時間のチェックをしてきませんでした。
しかし、今ではスマホでも、タブレットでも、ノートPCでも、会社のシステムに入らずにメールチェック、返信、自分の資料の加工等、6割、7割程度の仕事は出来るようになってしまいました。
例えば、以前の自分の仕事のスタイルは「なるべく家に仕事を持ち帰らない」がベースで、残業できる曜日(保育園の迎え当番ではない日)に仕事を行い、よほどのことが無い限り自宅での作業はしませんでした。
それに対して、現在では「自宅で作業する」ことに抵抗がなくなりました。在宅勤務の導入が、その抵抗を減らしました。
対して、「子供が家にいる時間に仕事をする」ことに対する抵抗が増しました。これも在宅勤務の導入がきっかけで、意識が上がりました。
よって、子供が保育園から帰ってくる18時30分から子供が寝る22時頃までは、仕事はせず、子供が寝てから、もしくは子供が起きる前に仕事をするように心がけるようになりました。
さて、かなりまずい話をしていますが、一応前提として、私は既に裁量労働制になっています。
ただし、深夜残業に対する手当は僅かながら出る規定なので、本来であれば、自宅で深夜もしくは早朝に仕事をしている時間は、会社に申告すべきでしょう。
しかし、深夜残業を申請すると、何かと面倒。
よって、「どうせ給料もほぼ変わらないし。」という意識で労働時間の申告は行っていません。
そうなると、見かけ上の私の残業時間は、育児休職に入る前に比べても少なくなって見える。実質はあまり変わらないのに・・・。
これは、会社の組織設計を行っている経営側の担当者をミスリードします(その組織にはまだ余裕がある。人員の不足はない。という判断の材料になる。)。
また、私は裁量労働制なのでまだ良いですが、組合員(残業代が出る側)などもこの働き方になると問題は爆発します。
30前半で、1人目、2人目の子育ての真っ最中の家庭では、私のような仕事の仕方を望む社員も増えると思います。
その時に、今の勤務制度では全く対応できない。
在宅勤務は、働き方への影響も大きいですが、オフィスに来ることが前提の社内規定との相性も最悪です。
在宅勤務併用の社会で、生産性を上げるためには、きちんとしたタスクの切り分けができるプロジェクトマネジャーの育成と、ジョブ型の組織作りが急務です。
在宅勤務併用の社会で、労働者の労働環境を守るためには、①成果報酬型の裁量労働制への移行(本来望ましい)、もしくは②完全なフレックス、深夜を問わず申請できる分断勤務の導入(日本的には現実的)、が必要です。
両輪で整備を進めていかないと、ジョブ型組織への移行だけだと、労働者の隠れ残業を補足できなくなります。
会社の働き方全体を変えなければいけませんが、今後は、そういった労働環境を整備できた会社が良い人材を獲得していけるでしょう。
地植えのユリが満開に近くなりました。
出窓の先にユリが見え、在宅勤務中に眺めることが出来ます。とてもきれい。
以上